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再建築不可の理由は?接道2m・私道・区域・セットバックまで徹底解説

再建築不可の理由を一気に把握したい方へ。本稿では、接道2mや前面道路の幅員、法42条のどの区分に当たるか、狭あい(2項)道路で求められる後退、私道の持分・通行掘削承諾、区域指定やがけ条例、建物側の既存不適格までを体系化。

あわせて、道路台帳や幅員証明、実測データ・承諾書を用いた確認フローと、改善へ進む手順も示し、購入前・売却前の判断を素早く確実にします。

 

再建築不可の主な理由と全体像

再建築不可の根本要因は、概ね次の五系統に集約されます。

①接道要件の未充足、②前面通路が建築基準法上の道路に非該当、③2項道路の中心線や後退量が未確定、④私道の権利・承諾の不足、⑤地形や区域指定・建物基準の不適合。多くの案件で複数要因が重なります。

 

最初に、前面通路が法42条のどれに該当するかを一次資料で特定し、敷地が連続2m以上接しているか、幅員が4m未満なら必要な後退量はどれくらいかを把握します。

私道なら持分の有無と通行・掘削・再掘削の承諾、復旧基準・承継条項まで文書化。がけ・擁壁、防火や用途の指定、無確認増築など建物側の論点も、価格と是正費へ直結します。

【主な原因の整理】

  • 法規:接道2m不足/道路幅員不足/法42条の非該当
  • 権利:私道持分なし/通行・掘削承諾の欠落
  • 物理・区域:がけ・擁壁/狭あい/用途・防火等の規制影響

 

カテゴリ 典型理由 初期確認の資料
接道 連続2m未満/旗竿通路の有効幅不足 実測写真/配置図
道路種別 位置指定未了の私道/里道・水路跡 道路台帳/指定道路図/幅員証明
2項道路 中心線未特定/後退量が未算定 2項道路台帳/基準点図

 

全体像を速く把握する手順
  • 道路種別→接道2m→後退量→私道権利の順で一次資料を照合
  • 不明点は現地実測と役所照会で補強し、図面+写真で見える化

 

接道2m不足と道路幅員不足

接道2mとは、敷地が「建築基準法上の道路」に連続して2m以上接していること。見落としがちなのは「有効幅」で、門柱・塀・メーターボックス・給湯器・植栽や、角地の隅切り・カーブの取り方で、見かけ2mでも実効が下回ることがあります。

旗竿地の通路は特に要注意で、途中のくびれで基準割れする事例が多数。さらに前面道路が4m未満なら2項道路の可能性を確認し、中心線からの後退(セットバック)で将来的に4mを確保する前提が求められます。

後退部分は原則建築不可扱いとなり、外構や設備の移設が必要。したがって、接道調査は「連続性」「有効幅」「道路幅員」を同時に点検するのが基本です。

【チェックの観点】

  • 連続2m:曲線・隅切りを含め直線距離で実測
  • 有効幅の障害物:出っ張りで幅が削られていないか
  • 道路幅員:4m未満なら2項指定と中心線の有無を照会

 

項目 具体的リスク 対処・確認
連続2m 旗竿通路の途中狭窄/角地の実効不足 メジャー入り写真+赤入れ配置図で可視化
有効幅 門柱・配管・メーターの干渉 撤去・移設の可否と費用を概算
道路幅員 3.5m等の狭あいで後退量が大きい 中心線確定→後退量・復旧仕様を数量化

 

自己チェックのコツ
  • 入口→中央→接点の3点で幅を測り、写真保存
  • 後退面積は早期に概算→配置計画・価格へ反映

 

法42条非該当と見た目道路

舗装され車が通れる細道でも、位置指定を受けていない私道、里道・水路跡、開発時の私設通路は「法の道路」でないことがあります。

この場合、敷地が2m以上接していても接道義務は満たせず、再建築不可に該当。まずは法42条の区分(1項1〜5号+2項)のいずれかに前面通路が入るかを、道路台帳・路線認定・指定道路図・位置指定告示・幅員証明で裏づけます。

「舗装=法の道路」「私道=常に法の道路」といった思い込みは禁物。私道でも1項5号(位置指定)や2項に該当すれば接道扱いになり得ますが、根拠資料がなければ非該当です。農道・河川管理地・構内通路など所管が異なる通路もあるため、管理者・用途の確認も必須です。

【よくある“見た目道路”の例】

  • 舗装されているが位置指定・2項指定のない私設通路
  • 里道・水路敷の転用(権利関係・用途が異なる)
  • 古い開発の私道で告示資料が散逸している

 

状態 リスク 確認資料・動き
位置指定なし 接道扱い不可→新築不可 指定道路図・告示番号の有無を照会
2項指定不明 後退算定ができず確認申請に進めない 2項道路台帳・幅員証明で指定確認
所管不明 通行はできても建築上の接道に使えない 管理者・用途のヒアリング記録を取得

 

誤判定を防ぐポイント
  • 外観より一次資料を優先→台帳・告示の写しを確保
  • 非該当の恐れがあれば代替ルート(43条許可等)も並走検討

 

2項道路の後退未確定

幅員4m未満の既存路が2項道路に当たる場合、建替え時は中心線から所定距離だけ敷地を後退し、将来4m(地域により6m)を確保する考え方が前提です。

現場でつまずきやすいのは、2項指定の有無、中心線の特定、必要後退量の算定が曖昧なままになっていること。

 

中心線は台帳・基準点・既存工作物の位置関係で決めますが、川や法面・カーブが絡めば個別協議が必要。

後退部分は原則建築不可で、門柱・塀・階段・給湯器・支持柱などの移設、舗装・側溝・桝の復旧費を数量化し、有効宅地の面積減とセットで価格・計画へ反映させます。

【見極めの手順】

  • 指定の有無:2項道路台帳・幅員証明で確認
  • 中心線の位置:基準点図と現地で整合、赤入れ配置図を作成
  • 必要後退量:一般に「2m−現況半幅」で算定(角や曲線は別計算)

 

項目 実務の見方 注意点
中心線確定 基準点・境界・工作物の位置で特定 ずれは面積計算・配置へ影響
後退量算定 隅切り・曲率は別計算で対応 机上計算に終わらせず現地杭で確認
復旧仕様 舗装厚/側溝規格/縁石/桝位置 数量表化し複数社で見積レンジ取得

 

未確定を解消するコツ
  • 台帳→実測→役所協議を往復し、線と数値を早期確定
  • 面積減+復旧費を同時にレンジ化→交渉のぶれを縮小

 

私道・権利関係が理由のケース

見た目に通れる道でも、権利や承諾が整っていなければ建築確認の前提に乗りません。

典型は、持分が無い、通行はあるが掘削・再掘削の合意がない、復旧基準が未合意、承継条項がなく所有者交代で効力が切れる、共有者多数で合意形成に時間を要する等。

最初に地番を確定し、登記事項で所有者・持分・共有者数を把握。通行・工事車両・掘削・再掘削・占用・復旧基準・期間・承継を盛り込んだ覚書ドラフトを整え、恒常性を担保するのが近道です。

【私道まわりで詰まりやすい要因】

  • 持分なし→通行地役権か持分取得の検討が必要
  • 承諾不足→掘削・再掘削が欠けると配管更新で停止
  • 承継不備→売買・相続で承諾失効の恐れ

 

論点 再建築不可につながる理由 初動アクション
持分 第三者地の通行のみで法的安定性が低い 登記事項確認→持分取得や地役権設定
承諾 ライフライン工事・復旧の根拠不足 通行/掘削/再掘削・復旧基準を文書化
承継 所有者交代で承諾が失効 承継条項を明記、代表者方式+全員同意

 

権利整備の基本フロー
  • 地番特定→登記事項・公図で所有と持分を把握
  • 承諾ドラフト→範囲・復旧・期間・承継を明確化

 

私道持分なし・通行掘削不可

持分が無いまま長年通行できていても、建替えや配管新設で掘削が必要になった瞬間、同意が得られず頓挫しやすい——というのが実務の落とし穴です。

通行承諾だけでは不十分で、掘削・再掘削、舗装復旧の断面基準、工事車両の通行、占用、期間(原則無期限)、承継条項まで明記して恒常性を確保します。

 

掘削範囲やルートは位置図・断面図を別紙に付け、施工後の検収(写真・立会・是正期限)まで合意しておくと紛争予防に有効。

持分取得を選ぶなら、譲渡契約→登記で安定性は一段上がり、将来の再掘削や更新も進めやすくなります。

 

状態 リスク 対処
持分なし 慣習通行でも掘削で停止 地役権設定または持分取得
通行のみ承諾 掘削・再掘削が不可で配管更新が困難 掘削/再掘削・復旧断面を追加合意
復旧不明確 舗装の品質トラブル 厚さ・材質・検収方法を断面図で特定

 

見落としやすいポイント
  • 「原状回復」の一言では不十分→断面・材質・段差許容を明記
  • 再掘削の可否を明確化→将来のメンテで再交渉を回避

 

位置指定未了・承継条項不備

位置指定道路(法42条1項5号)の告示が未了だと、幅員や形状が基準に近くても「法の道路」扱いにならず、2m接道があっても再建築不可に。

指定済みでも、告示写し・図面・検査記録を提示できないと審査が進まず、時間とコストが膨らみます。

 

まず告示番号・図面の有無を役所で確認し、不足なら拡幅・排水・転回広場など要綱に沿った整備や新規位置指定を検討。

承諾書の承継条項が弱いと、売買・相続で効力切れ→再取得が必要になります。「移転・相続・賃貸があっても効力継続/再署名不要」を基本に、通知義務と窓口を明記しましょう。

 

課題 起こりうる問題 解決アプローチ
位置指定未了 接道扱い不可→新築困難 要綱準拠の築造→検査→告示で根拠化
根拠不鮮明 差戻し・長期化 告示写し・図面・検査記録の収集
承継不備 所有者交代で承諾失効 承継条項+代表者方式+全員同意

 

位置指定・承継の実務メモ
  • 告示写しは売買資料にも添付→第三者へ根拠提示
  • 承継+再掘削条項で将来工事も一括担保

 

共有者多数で同意形成難航

共有私道は所有者が多いほど合意形成が重くなります。相続未登記や連絡不能者がいると、通行・掘削・再掘削・復旧・占用ごとに案件が止まり、再建築不可の実質要因に。

対策は、共有者リスト化、代表者方式の導入(窓口一本化)、全員同意が必要な事項の限定、管理覚書で維持・復旧・費用分担・禁止事項を明文化。

 

決裁フロー(提案→回覧→締切→議事録)を定め、協力金・復旧断面の標準値まで決めておくと回りやすいです。

反対者がいる場合は、43条許可や別通路案を並走し、時間価値の観点から入札や買取保証へ切替える判断も検討に値します。

 

ボトルネック 具体例 打開策
連絡不能 相続未登記/住所不明 戸籍・住民票の追跡、公告手続
意見不一致 復旧仕様・協力金で対立 標準断面・費用分担式の先行合意
手続負荷 案件の度に個別承諾が必要 管理覚書で包括承諾+代表者方式

 

同意形成を速めるコツ
  • 配管ルート・復旧断面の赤入れ図+工程表を1枚化
  • 締切と窓口を明示し、回覧の往復を短縮(議事録で記録)

 

地形・区域指定が理由のケース

地形(がけ・高低差・擁壁)や区域指定(防火・用途・高度等)がネックとなる例も多くあります。

がけ条例で離隔が取れない、既設擁壁が現行基準に合わない、防火地域で開口・外壁仕様が満たせない、用途地域と計画用途が衝突、高度・斜線規制でボリュームが成立しない——いずれも確認不可や計画縮小の要因です。

旗竿地では通路の有効幅・曲率・勾配が消防・工事動線の障害となりやすい点にも注意。購入・売却前に、がけ・擁壁・高低差、防火・用途・高度の指定、通路の実測(幅・曲率・勾配)を図と写真で可視化しておくと、早期に難度を見極められます。

 

【先に確認したいポイント】

  • がけの有無・高さ・離隔、擁壁の構造・築年・点検記録
  • 防火指定(防火/準防火)・用途地域・高度/斜線の条件
  • 旗竿通路の有効幅・曲率・勾配、車両の実走可否

 

論点 見る情報 実務ヒント
地形 高低差・がけ・擁壁の健全性 写真+点検記録で客観化
区域 防火・用途・各種地区指定 都市計画図へ赤入れ
形状 旗竿通路の幅・曲率・段差 メジャー写り込み写真を保存

 

地形・区域で詰まらないために
  • 「地形→区域→形状」の順で一次確認し、数値で難度を把握
  • 図と写真を対で整備し、早期に不適合の程度を見立てる

 

がけ条例・擁壁の適合不足

がけ条例適用地域では、がけ上端・下端からの離隔が求められ、満たせないと確認が下りにくくなります。

既設擁壁が古く図書が残らない場合は、配筋探査や排水機能の点検で健全性を評価し、補強・更新・配置転換の比較検討へ。

離隔不足地は、規模縮小や構造軽量化、法枠工・アンカー・排水強化等でリスク低減を図りますが、費用と期間は嵩みがち。売買では、点検記録や離隔寸法を赤入れした配置図を添えると、減額交渉の抑制に有効です。

【確認と対応の流れ】

  • 現況把握:高低差・がけ線・擁壁種別(RC/石積/ブロック)
  • 資料確認:設計図書・検査済・点検記録
  • 対策比較:離隔確保/補強・更新/配置転換

 

論点 不適合の典型 実務ポイント
離隔 上端・下端からの距離不足 配置図に離隔寸法を赤入れ
構造 無筋・控え壁不足・排水不良 配筋探査/排水点検でエビデンス化
老朽 ひび割れ・沈下・湧水 補強・更新の概算見積を併記

 

見落としやすい注意点
  • ブロック擁壁の高さ超過は安全説明が必要
  • 図書が無い場合は点検・探査・写真で資料化

 

防火指定・用途制限との衝突

防火地域・準防火地域では、開口部・外壁・屋根の仕様、延焼ラインの扱い、内装制限が強化されます。これらを満たせない計画は確認不可となり、計画縮小や設計変更が必要。

用途地域の制限や高度・斜線(日影・道路・北側)も、ボリューム成立に直結します。都市計画図・防火指定図・高度・斜線の根拠を一枚にまとめ、建ぺい・容積・高さ、耐火・開口性能を早期にすり合わせて設計のやり直しを抑えましょう。

【整合性チェックの観点】

  • 防火:外壁・開口・延焼ラインの仕様適合
  • 用途:計画用途・規模が地域ルールに合うか
  • 高度/斜線:高さ・形状・離隔の実現性

 

項目 衝突例 早期確認のコツ
防火 サッシ性能不足・外壁等級不足 仕様表で性能値を明記
用途 住居系で大規模店舗を計画 用途一覧と面積配分を提示
高度/斜線 高さ超過・日影不適合 概算断面図を早期作成

 

衝突回避の実務ヒント
  • 都市計画図へ計画線・高さ・用途を赤入れ→事前相談
  • 耐火・準耐火の仕様はカタログと突合して先に確定

 

旗竿形状で有効幅が不足

旗竿地の「竿」部分は有効幅2m以上が必須。図面上は2mでも、門柱・塀・給湯器・メーターボックス・階段・植栽の出っ張りで1.9mに落ちる例は珍しくありません。

曲がり角や急勾配は工事・消防動線の障害にも。入口・中間・接点の3点で幅を実測し、メジャー写り込み写真で記録。

 

隅切り不足・曲率過大は、角部の切欠き・外構移設・境界調整で改善を検討。

私道なら通路全長で通行・掘削・再掘削・復旧の承諾が取れているかを確認し、承諾書に車両種別・時間帯・再掘削回数・復旧断面を明記すると将来対応がスムーズです。

【旗竿通路のチェックリスト】

  • 有効幅:障害物控除後で2m以上を連続確保
  • 曲率/隅切り:車両旋回や担架通行に支障がないか
  • 勾配/段差:排水・凍結・滑りの対策を前提に仕上選定

 

課題 具体例 対策
幅不足 設備の張出で1.9mに 設備移設・外構後退で有効幅を確保
曲率 直角曲がりで侵入不可 隅切り拡大・曲線化
勾配 冬季の滑り・底擦り 舗装種別・段差処理・排水勾配の見直し

 

計測・是正のコツ
  • 入口→中間→接点を最小値で判定し、赤入れ図で共有
  • 是正案は数量×復旧仕様で概算化し、交渉根拠を用意

 

建物側の理由と既存不適格

土地・道路だけでなく、建物側の不適合が原因となることも。無確認増築、用途変更、建ぺい・容積・斜線の超過、避難・採光・耐火の不足などが代表例です。

既存不適格(当時適法・現行不適合)と違反建築(当時から違反)に分かれ、後者のリスクは高め。

 

売買・建替え・融資では、確認済証・検査済証・台帳・図面・工事契約や領収書などで「いつ・何を・どこまで」を立証。

現況図で建ぺい・容積・斜線・防火・避難・採光を棚卸しし、違反拡大を招かない計画へ見直すのが出発点です。

【建物側で詰まりやすい論点】

  • 無確認増築・用途変更→適法性の説明が困難
  • 建ぺい・容積・斜線の超過→同規模再現が不可
  • 避難・採光・耐火の不足→用途により要求水準が上がる

 

区分 典型的不適合 初期アクション
手続 確認・検査済の欠落/無確認増築 台帳・図書確認→不足は現況図化
規模 建ぺい・容積・斜線超過 現況算定→縮小や是正の要否を判断
安全 避難・採光・耐火・内装制限の未充足 用途別基準を整理→優先度付け

 

建物側リスクの整理フロー
  • 現況図・写真→法適合の棚卸し(規模・安全・手続)
  • 違反拡大を避ける工事方針へ変更→是正案と概算見積を添付

 

無確認増築や用途変更の履歴

確認が必要な工事(規模増・構造主要部の変更・用途変更)を無手続で行えば、売買・融資・再建築の場面で適法性の説明が詰まります。ウッドデッキの恒久化、サンルーム、離れ増築、住居→店舗化などは範囲次第で申請対象。

対応は、建築計画概要書・確認済証・検査済証・台帳・課税台帳、過去図面・契約・領収・工事写真を収集し、事実関係を特定。用途変更の運用があるなら、消防・衛生・避難・内装制限の基準を満たすか再点検を。

【確認の観点】

  • 確認・検査の有無→台帳・図書で裏付け、欠落分は現況図で補完
  • 構造への影響→耐力壁・梁・床開口の有無、荷重増加の有無
  • 用途の変化→不特定多数の利用か、消防・衛生基準の充足

 

状態 リスク 対応
無確認増築 確認不可・融資不可・保険不担保 撤去/規模縮小/適法化工事
用途変更 避難・内装・衛生の不足 用途別基準で再設計し手続を整理
図書欠落 適法性説明が困難 台帳補完・現況図作成・第三者調査

 

見落としやすい注意点
  • 「小規模だから不要」ではない——構造・用途に影響すれば要申請
  • 短期の営業利用でも回避不可——実態判断が前提

 

建ぺい・容積・斜線の超過

建ぺい率・容積率・斜線(日影・道路・北側)は地域ごとに上限があり、オーバーしていれば既存不適格。違法ではないものの、建替え・大規模改修時に同規模再現はできません。

とくにセットバックで敷地が減る予定なら、容積・建ぺいの超過が顕在化し、同じ床面積を確保できないことが多い。

 

最新測量図と延べ面積を再点検し、当時の確認図書が残っていれば計算根拠を比較。用途変更や高度地区による上限変動も要確認。

再計画はセットバック後の有効宅地面積で算定し、斜線は概算断面図で早期判定を。

【算定・計画のポイント】

  • 現況の建ぺい・容積を再計算(登記・図面・実測で照合)
  • セットバック後面積で再算定し、上限超過の有無を把握
  • 斜線は概算断面で早期判断→屋根形状・高さの最適化

 

論点 よくある背景 対処方針
建ぺい超過 外構の一部を建築物扱い 庇・デッキの見直し/配置転換
容積超過 未登記ロフト・PHの扱い 面積整理/縮小・用途変更
斜線超過 屋根形状・高さ設定 勾配屋根化/セットバック/用途見直し

 

ぶれない再計算のコツ
  • 「現況→セットバック後→計画案」を同書式で横並び
  • 登記・図面・実測の差は注記し、根拠資料を添付

 

避難・採光・耐火基準の不足

用途・規模により、避難(経路幅・直通階段・二方向避難)、採光(有効採光・換気量)、耐火(延焼ライン内の開口・外壁仕様)や内装制限の要求水準が上がります。

住居を民泊等へ運用したり、店舗・事務所として不特定多数が出入りする場合は、追加の安全・衛生設備が必要。

既存住宅では窓の寸法・位置、排煙・換気、階段幅・蹴上げ、内装の防火性能が不足しがちで、増改築時に適合を求められます。

【点検チェックリスト】

  • 避難:経路幅・階段仕様・二方向避難の有無
  • 採光:有効採光面積・方位・遮蔽物・窓性能
  • 耐火:延焼ライン内の開口仕様・外壁等級・離隔

 

領域 不足の典型 改善ヒント
避難 階段幅不足/直通階段なし 階段拡幅・動線再配置・用途見直し
採光 採光率不足/北面偏重 開口拡大・反射材活用・内装色調整
耐火 延焼ライン内のサッシ性能不足 防火設備化・外壁格上げ・離隔確保

 

安全基準で詰まらないために
  • 用途別要求一覧を先に作成し、設計初期で差分を把握
  • 「構造・防火・避難・設備」を論点別に分冊し、審査の往復を削減

 

確認手順と改善の道筋

判断精度を上げるコツは、一次資料と実測の突合を順序よく回すこと。

①前面通路の法42条区分を台帳・告示で特定→②連続2mの実測→③幅員4m未満なら2項道路の中心線・後退量を確定→④私道の持分・通行/掘削/再掘削・復旧・承継を文書化→⑤是正案(セットバック・位置指定・43条許可)の実現性・費用・期間をレンジ化、の流れで進めます。

図面に後退線・隅切り・数量表を赤入れ、写真にメジャーを写して「誰が見ても同じ結論」に。出口(売却・建替え・賃貸)ごとに、整備済み案と現況案の二本立てで可否/費用/期間/手残りを比較すると、判断がぶれません。

 

段階 目的 成果物(例)
資料取得 道路種別・幅員・指定の確認 道路台帳/指定道路図/幅員証明
現地実測 接道2mの連続性・実効幅の確認 メジャー写り込み写真/赤入れ配置図
後退確定 中心線・後退量・隅切りの決定 後退線図/数量表/概算見積
権利整備 通行・掘削・再掘削・承継の担保 承諾書ドラフト/管理覚書案
改善策検討 43条許可・位置指定・セットバック 工程表/費用レンジ/比較表

 

最短ルートで判断するコツ
  • 「台帳→実測→協議」を往復し、線と数値を早期に固定
  • 整備済み/現況の二案で費用・期間を同表比較

 

道路台帳・指定図・幅員証明

外観ではなく、一次資料で「道の正体」を確定させることが最優先。法42条1項各号か2項か、非該当かを、道路台帳・路線認定・指定道路図・位置指定告示・幅員証明で裏づけます。

位置指定なら告示番号と図面、2項道路なら指定の有無・中心線・幅員の扱いを確認。里道・水路跡・私設通路は舗装があっても法の道路外であることがあるため、管理者・用途の確認記録も添付。

地番・路線名・起終点・幅員レンジをメモ化し、実測との差分に付箋を打てば、協議の論点が明確になります。

 

資料 確認ポイント 実務ヒント
道路台帳 管理区分・路線名・幅員 台帳幅員は現場と差が出やすい前提で運用
指定道路図 位置指定の有無・告示番号 告示写しを取得し根拠化
幅員証明 公的な幅員値 角地・曲線の扱いは窓口で要確認

 

資料取得のチェック
  • 「台帳・指定図・幅員証明」を同時請求→突合して整合確認
  • 非該当の恐れがあれば代替策(43条許可 等)も同時照会

 

接道実測と後退線の算定

道路の正体が確定したら、現地で数値を固めます。接道2mは敷地と道路が接する直線の連続幅で、門柱・配管・メーター・庇・植栽の出っ張りは有効幅を削る要因。

旗竿通路は入口・中間・接点で幅を測り、最小値で判定。幅員4m未満なら2項道路の可能性を確認し、台帳・基準点・工作物を手掛かりに中心線を特定、一般に「2m−現況半幅」で後退量を算定(角・曲線は別計算)。

 

後退部分は建築不可扱いになりやすく、外構・設備の移設、舗装・側溝・桝・縁石の復旧が必要。

配置図へ赤入れし数量表(後退幅×延長、撤去・復旧の数量)を作って、2〜3社見積でレンジ化すると、価格・工程の精度が上がります。

 

項目 測り方/算定の要点 ミス防止のコツ
接道2m 連続幅を直線距離で確認 メジャー写り込み写真を保存
中心線 台帳・基準点・境界で特定 現地杭で仮マーキング→窓口で照合
後退量 2m−現況半幅(角・曲線は別計算) 隅切りの取り方を図で合意
復旧 舗装・側溝・桝・縁石の標準 数量表化し複数社見積を取得

 

現地での注意ポイント
  • 入口→中間→接点の3点計測を最小値で判定
  • 台帳幅員との差は、その場で原因(張出・路肩等)を記録

 

43条許可・位置指定の検討

接道不足・法の道路非該当が判明したら、次の三択を比較します。

①43条許可(安全・防災・衛生上の支障がないと認められれば個別許可)、②位置指定(要綱に沿って私道を築造し検査・告示を経て「法の道路」に格上げ)、③セットバック(2項道路で中心線から後退し将来条件を満たす)。

いずれも費用と期間の振れ幅が大きいため、工程と概算をレンジで示し、建替え・売却・融資といった目的に照らして選定します。

 

選択肢 成立の鍵 想定ハードル
43条許可 通路幅・消防/衛生・権利の恒常性 地域基準が細かい→図書不足で差戻し
位置指定 幅員4m以上(地域差)・排水・転回広場 工事費と同意形成が重い→工程管理が要
セットバック 2項指定・中心線確定・数量化 有効宅地減・外構撤去→配置再設計

 

改善策を選ぶ判断軸
  • 目的(建替え/売却)と期限→費用・期間の上限を先に設定
  • 権利(通行・掘削・承継)と技術(幅員・排水・転回)を同時評価

 

まとめ

ポイントは、①法的道路の該当性、②接道2mの連続性、③必要なセットバック、④私道の権利、⑤区域・建物基準の五つ。

道路台帳・幅員証明・実測・承諾書を早めに揃え、是正の可否と費用を数値化しましょう。

43条許可や位置指定も選択肢に入れつつ、「価格」ではなく「手残りと期間」で最適解を選ぶ——これが再建築不可に向き合う実務の基本線です。