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新耐震基準を5つポイント!旧耐震との違い・見分け方や書類確認を徹底解説

中古住宅の検討で「新耐震基準か旧耐震か分からない」「書類でどう確認する?」「ローンや保険に影響は?」と迷う方は多いです。

本記事では、新耐震基準の基本と旧耐震との違い、建築確認日や確認済証・検査済証での見分け方、マンション・戸建別の注意点、購入・売却時のリスク整理までを5つの観点で解説します。個別判断が必要な場面は専門家相談が有効です。

 

新耐震基準の基礎知識

新耐震基準は、建築基準法にもとづく耐震の考え方が強化された基準の通称です。一般に、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物が「新耐震」、それ以前が「旧耐震」と整理されます。

大きなポイントは、地震時に人命を守るため「大地震でも倒壊・崩壊しにくいこと」をより重視する設計思想に切り替わった点です。

 

ただし、新耐震=無被害という意味ではありません。基準は最低限の安全水準であり、立地の揺れやすさ、地盤、施工状況、劣化、増改築の有無などで実際の耐震性は変わります。

購入や売却で判断が必要な場面では、書類確認とあわせて専門家の調査(耐震診断など)を検討すると整理しやすいです。

 

新耐震基準で押さえる3つの前提
  • 区分の基本は「竣工日」ではなく「建築確認を受けた日」で見る
  • 新耐震は最低限の基準で、個別の安全性は建物の状態や地盤で変わる
  • 木造は2000年(平成12年)頃に仕様がより明確化され、年代で差が出やすい

 

旧耐震との違いチェック

旧耐震と新耐震の違いは「地震に対してどこまでの安全性を想定し、どのように確認するか」です。

旧耐震は主に中規模の地震で大きな損傷を抑える考え方が中心でしたが、新耐震では大地震でも倒壊・崩壊を防ぎ、避難できる状態を確保する考え方がより明確になりました。

 

実務では、物件広告の「築年」だけで即断せず、建築確認の時期と書類の有無で一段深く確認するのが安全です。

特に境目の年代は、計画は旧耐震でも完成が新耐震の時期に近いなど、誤解が生じやすい点に注意が必要です。

 

比較軸 旧耐震 新耐震
区分の目安 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認 1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認
設計の考え方 中規模地震で大破を抑える考え方が中心 大地震でも倒壊・崩壊を防ぐ考え方がより重視
確認の基本 築年だけでは判断しにくいことがある 建築確認日と書類確認が判断の起点になりやすい
注意点 補強の有無で差が大きい 新耐震でも劣化・改造・地盤で性能が下がり得る

 

制度変更の時期目安

「新耐震」と一口にいっても、導入直後から現在までずっと同じ内容ではありません。

とくに木造は、1981年の基準強化に加えて、2000年(平成12年)6月頃に壁の配置バランスや接合部(柱と梁などのつなぎ目)の扱いなど、仕様の考え方がより明確になったと整理されることがあります。

 

そのため、同じ新耐震でも、木造は「1981年〜2000年頃」と「2000年頃以降」で確認したいポイントが変わる、という見立てが有効です。

マンションや鉄骨造なども含め、最終的には設計図書や管理状況、劣化、改修履歴とセットで判断します。

 

年代で見落としやすい整理(目安)
  • 1981年(昭和56年)6月1日以降:新耐震として扱われる起点
  • 木造は2000年(平成12年)6月頃:構造の仕様がより明確化された時期として整理されやすい
  • 境目の年代:築年表示だけで決めず、建築確認日と図書で裏取りしやすい

 

耐震等級との関係比較

新耐震基準は「建築基準法で最低限満たすべき基準」を指す整理です。一方、耐震等級は、住宅性能表示制度などで用いられる評価の枠組みで、等級が高いほど地震に対する強さが高い方向で評価されます。

実務上は、新耐震だから安心、という二択ではなく、「法令上の基準(新耐震か)」と「性能の見える化(耐震等級の有無)」を分けて考えると、説明もしやすく判断も安定します。

なお、耐震等級はすべての住宅で表示されるものではなく、評価を受けていない物件では等級が不明な場合があります。その場合は、設計図書や耐震診断など別の方法で補完します。

 

混同しやすいポイント
  • 新耐震は「最低限の基準」の通称で、等級の高低を直接示すものではない
  • 耐震等級は「評価制度」で、表示がない物件は等級が分からないことがある
  • 安全性の判断は、地盤・劣化・改修履歴など個別要素の確認が必要

 

新耐震の見分け方

新耐震かどうかの判定は、広告の「築年」だけで決めるとズレることがあります。理由は、区分の基準が「竣工日」ではなく、原則として「建築確認を受けた日(建築確認日)」で整理されるためです。

特に1981年前後は、完成時期が近い物件や、途中で計画変更・増改築が入った物件で混同が起きやすくなります。

見分け方の基本は、まず書類で建築確認日を押さえ、次に現況が図面どおりか(大きな改造がないか)を確認する流れです。書類が不足している場合は、行政の台帳や概要書の閲覧・証明で補完します。

 

確認レベル 主に見る資料 向いている場面
簡易 確認済証の建築確認日、概要書の記載 候補物件の一次選別、内見前の確認
標準 確認済証+添付図書、検査済証、改修履歴 購入申込み前の判断材料を揃える
慎重 上記に加え耐震診断、現地調査で図書と現況の照合 境目の年代、増改築が疑われる、融資条件が厳しい

 

最初に揃えると早い情報
  • 物件の住所(住居表示)と地番(分かる範囲)
  • 建物名・部屋番号(マンションの場合)
  • おおよその築年と、増改築の有無(売主・管理会社に確認)

 

建築確認日を確認する手順

新耐震か旧耐震かを分ける起点は、一般に1981年(昭和56年)6月1日です。したがって、最優先で確認したいのは「建築確認日がこの日以降かどうか」です。

確認済証には確認番号や日付が記載されており、ここを見れば判断が進みます。なお、増築や大規模改修で別の確認を取っていると、確認番号や日付が複数ある場合があります。

どの確認が“当初の建物(主要構造部)”に対応するのか、内容まで含めて整理することが大切です。

 

  1. 売主・仲介会社(買主の立場)に「建築確認済証」または写しの提示可否を確認します。
  2. 確認済証の「建築確認日(または交付日)」「確認番号」「建築主」「建物用途・規模」を読み取り、物件と一致するか照合します。
  3. 1981年(昭和56年)6月1日を境に、新耐震か旧耐震かを一次判定します。
  4. 増改築がある場合は、当初分と増改築分の確認が混在していないか、図書の範囲(どこを対象にした確認か)を確認します。

 

建築確認日チェックの注意点
  • 「築年(竣工)」と「建築確認日」は一致しないことがあります。
  • 増改築があると確認記録が複数になり、当初分の確認が必要です。
  • 書類上の住所表記や建物名が現況と異なる場合があるため、番号や敷地情報も併せて見ます。

 

確認済証・検査済証の探し方ポイント

確認済証は、工事に着手する前に「計画が法令に適合しているか」を確認した結果として交付される書類です。

検査済証は、工事完了後の検査(完了検査)に合格したことを示す書類で、建物が図面どおりに完成しているか、法令上のチェックを受けたかを裏づける手掛かりになります。

新耐震の判定そのものは建築確認日が軸ですが、購入判断では「当初図書と現況が大きく違わないか」「耐震性に影響する増改築がないか」も重要になるため、検査済証や添付図書の有無も合わせて確認します。

 

書類名 分かることの要点
建築確認済証 建築確認日・確認番号など。新耐震かどうかの一次判定の起点になります。
検査済証 完了検査に合格し交付されたことの確認材料になります(未取得・未交付のケースもあります)。
確認済証の添付図書 構造・間取り・開口部などの図面。現況と大きな差がないかの照合に使います。

 

探し方の現実的な当たり先
  • 売主の保管書類(契約書類の束、住宅の取扱説明書ファイル等)
  • マンションの管理組合・管理会社の保管資料(新築時の図書・竣工図など)
  • 住宅ローン利用時の書類一式(過去の融資審査資料として残っていることがあります)

 

書類がない場合の照会先注意点

確認済証・検査済証は、紛失しても「同じ書類を再発行できない」運用の自治体が一般的です。

その代わりとして、台帳に残っている範囲で、確認番号や交付年月日などを証明する「台帳記載事項証明書(名称は自治体により異なります)」や、建築計画概要書の閲覧・写し交付で補完する方法があります。

 

照会先は、物件所在地を管轄する建築行政の窓口(建築指導担当など)が基本です。

加えて、建築確認が民間の指定確認検査機関で行われた物件は、市区町村では証明を出せないことがあるため、どの機関が確認を出したのかを先に特定してから動くと無駄が減ります。

閲覧・交付の対象期間は自治体ごとに異なり、古い年代は台帳が残っていない場合もある点に注意が必要です。

 

照会前に知っておきたい制約
  • 再発行ではなく「台帳の範囲内の証明」になるため、記載が欠ける場合があります。
  • 自治体により閲覧対象の年代・規模が決まっていることがあります。
  • 手続きには物件特定の情報が必要で、電話だけでは個別の有無を答えない運用もあります。

 

物件タイプ別の確認点

新耐震かどうかは同じでも、確認すべき論点はマンション(区分所有)と戸建(単独所有)で大きく変わります。

マンションは、買主が専有部分(室内)だけでなく共用部分(建物全体)にも関係するため、管理状況や修繕の実行性が耐震性の「実態」に影響しやすいです。

 

一方、戸建はオーナー(買主)が建物の維持管理を直接担うため、増改築の履歴、劣化、構造上重要な部分の状態が判断の要になります。

同じ築年でも、建物の形状や地盤、施工、維持管理で地震時の挙動は変わります。したがって「新耐震=安心」で終わらせず、物件タイプごとのチェック観点を押さえたうえで、書類と現況の整合性を確認することが実務的です。

 

タイプ別に最初に見ると早い資料
  • マンション:長期修繕計画、重要事項説明書、管理規約・使用細則
  • 戸建:建築確認済証・検査済証、設計図書、リフォーム・増改築の契約書や写真
  • 共通:売主の告知書(設備・不具合等)と改修履歴の一覧

 

マンションで見落としやすい注意点

マンションの耐震性を考えるときは、室内の状態だけで判断しないことが重要です。買主は専有部分の所有者である一方、耐震性に直結しやすい柱・梁・耐力壁などは共用部分に該当することが多く、管理組合の意思決定と資金計画に左右されます。

したがって、新耐震かどうかの確認に加え「建物全体が適切に維持されているか」「将来の修繕が回る体制か」を見ると、リスクの取りこぼしが減ります。

 

また、売却時の評価や融資条件は、建物の状態や管理の実態が間接的に影響することがあります。

例えば、大規模修繕の実施状況や修繕積立金の水準が極端に低い場合、将来の工事が先送りになり、劣化が進んで耐震性(実態)を下げる方向に働く可能性があります。

 

確認項目 見落としやすい理由と見方
長期修繕計画 計画があっても「実施されているか」は別問題です。過去の工事履歴と次回予定の整合を見ます。
修繕積立金 不足すると必要な補修が遅れやすく、劣化が進行します。値上げ議論の有無も確認します。
耐震性に関わる工事 共用部分の改修は管理組合決議が必要で、合意形成が難しいことがあります。
増築・用途の変化 店舗併設や用途変更があると、設備負荷や改造が増える場合があります(個別確認が必要)。

 

マンションで起きやすい誤解
  • 室内リフォーム済みでも、共用部分の劣化や管理の問題は解消しません。
  • 新耐震でも、将来の修繕が回らないと性能維持が難しくなることがあります。
  • 耐震性の核心は構造体で、内装の新しさとは別軸です。

 

戸建で効く確認ポイント

戸建は、建物の維持管理がオーナーの責任で積み上がるため、「いつ・どこを・どの程度」直したかが耐震性の実態に直結しやすいです。

新耐震の区分に加え、木造であれば壁の量や配置バランス、接合部、基礎の状態などが重要になりやすい一方、買主が図面だけで性能を断定するのは難しいため、現況確認と調査を組み合わせて判断します。

 

特に雨漏りやシロアリ被害は構造材の強度を落とす要因になり得るため、表面的な内装より優先して確認したいポイントです。

購入時に迷う場合は、ホームインスペクション(建物状況調査)や必要に応じた耐震診断を検討すると、修繕の優先順位と費用感(円・万円)を整理しやすくなります。

 

戸建で効く確認ポイント(買主側のチェック)
  • 雨漏り・結露・シロアリ等の履歴と、補修の範囲(写真・保証書の有無)
  • 基礎のひび割れ、傾き、床鳴りなど、構造に関わるサイン
  • リフォームが構造に影響する内容か(壁を抜いた、増築した等)

 

増改築・用途変更の確認目安

新耐震かどうかを確認しても、増改築や用途変更があると、耐震性や法令適合性の評価が複雑になります。

例えば、壁を抜いて大空間にした、増築で建物形状が変わった、店舗・事務所など居住以外の用途が混在した、といったケースでは、当初の設計図書と現況が一致しない可能性があります。

 

この場合、買主は「当初の建物が新耐震だったか」だけでなく「現在の状態が確認申請どおりか」「必要な検査を受けているか」を含めて整理する必要があります。

確認の起点は、建築確認済証・検査済証の有無と、増改築部分の確認記録(確認番号・日付・対象範囲)です。

書類が揃わない場合は、行政の台帳や概要書、売主の工事契約書・図面で補完し、重要事項説明書での説明内容とも突き合わせます。

個別性が高いため、疑義がある場合は建築士等に相談し、必要なら現地で図書との照合を行うのが安全です。

 

よくある変更 確認の目安
増築(部屋の追加等) 増築分の確認記録があるか、対象範囲が明確かを確認します。面積(㎡)増加がある場合は特に注意します。
間取り変更(壁撤去等) 耐力壁に関わる可能性があるため、図面と現況の違いを整理し、必要に応じて専門家確認を検討します。
用途変更(店舗併設等) 法令上の扱いが変わる場合があるため、重要事項説明書の記載や行政の記録で確認します。

 

増改築がある物件で起きやすいリスク
  • 当初の図書と現況が一致せず、融資・保険・売却時の説明で確認事項が増えることがあります。
  • 必要な確認・検査の記録が見当たらない場合、是正や追加調査が必要になることがあります。
  • 買主が独自判断で「問題なし」と断定しにくく、専門家の関与が有効です。

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購入判断のチェック軸

新耐震に該当していても、買主が「購入してよいか」を判断するには、書類上の区分だけでは足りません。重要なのは、建物の現況(劣化や改造の有無)を把握し、必要に応じて調査や見積りで不確実性を減らすことです。

特に中古住宅は、雨漏り・腐食・シロアリ・配管漏れなどが構造体に影響する場合があり、耐震性の実態は維持管理で変わります。

 

判断の流れとしては、まずインスペクションで建物全体の状態を把握し、耐震に不安が残るときや境目年代・増改築が疑われるときは耐震診断を検討し、補強が必要なら工事内容と費用(円・万円)を見積りで固めます。

そのうえで、住宅ローンや保険の条件と整合するかを確認すると、購入後の想定外が減ります。

 

購入前に整理すると迷いが減る情報
  • 建築確認日と、確認済証・検査済証などの有無
  • 増改築・リフォームの履歴と、構造に関わる工事の有無
  • 劣化サイン(雨漏り・シロアリ等)と修繕の記録
  • 調査→補強が必要になった場合の費用余力(万円)

 

耐震診断とインスペクション比較

インスペクション(建物状況調査)は、住宅の劣化や不具合の有無を幅広く確認し、現況を把握するための調査です。雨漏り跡、ひび割れ、傾き、床下や小屋裏の状態など、購入後にトラブルになりやすいポイントを整理するのに向きます。

一方の耐震診断は、地震に対する強さを評価し、補強が必要かどうか、必要ならどこをどの程度補強するかを検討するための調査です。

 

実務では、まずインスペクションで全体の健康診断を行い、構造に不安がある、境目年代で判断が難しい、増改築で図面と現況が合わない可能性があるといった場合に、耐震診断を追加する流れが分かりやすいです。

いずれも「実施すれば必ず安全と言い切れる」ものではなく、結果を踏まえて補修・補強の選択肢を検討するための材料と考えるのが現実的です。

 

比較軸 インスペクション 耐震診断
目的 劣化・不具合の把握と購入判断の材料づくり 地震への強さの評価と補強検討の材料づくり
主な対象 建物全体(雨漏り、ひび割れ、設備等も含む) 主に構造(壁量、接合部、基礎等)
向く場面 中古住宅の初期スクリーニング 境目年代、増改築疑い、補強を検討したい
注意点 見えない部分は限界がある 図面不足や現況不一致で追加調査が必要な場合がある

 

調査で誤解されやすい点
  • 調査は「絶対に安全」を保証するものではなく、判断材料を増やすためのものです。
  • 図面がない、現況が図面と違う場合は、結論が出しにくく追加確認が必要です。
  • 調査結果は、補修・補強・価格交渉・契約条件に反映して使う前提です。

 

補強工事費の見積りチェック

補強工事を検討する場合、費用(円・万円)は「工事の規模」と「現場条件」で大きく変わるため、一般論の相場だけで判断しないことが重要です。

例えば、耐力壁の追加、接合部の金物補強、基礎の補修、屋根の軽量化など、工法や範囲で金額が変わります。

買主の立場では、工事の目的が「耐震性の底上げ」なのか、「劣化部分の是正」なのかを分けて整理し、見積りの内訳で確認すると、比較がしやすくなります。

 

見積りは1社だけで決めず、条件を揃えて複数社で比較するとブレが減ります。

前提条件(床面積(㎡)、階数、工事範囲、仮住まいの要否など)を合わせ、諸経費や付帯工事(解体・復旧、内装や設備のやり直し等)が含まれているかを確認します。

 

見積りでチェックしたい内訳(買主向け)
  • 補強の対象範囲(どの部位を、どの工法で行うか)
  • 解体・復旧、内装復旧など付帯工事の有無
  • 諸経費(現場管理費等)に含まれる項目
  • 工期と、仮住まい・引っ越しの要否(費用が別途か)

 

ローン・保険で見られる注意点

住宅ローンや火災保険・地震保険の利用可否、条件は、物件の状況や金融機関・保険会社の商品設計によって異なります。

そのため本文では一般論にとどめますが、購入判断の実務としては「必要書類が揃うか」「法令上の手続きが欠けていないか」を早めに確認することが重要です。

具体的には、検査済証が見当たらない、増改築の記録が不明、現況が図面と大きく違う、といったケースでは、審査や引受の過程で追加資料を求められることがあります。

 

また、境目年代や増改築がある物件は、売主・仲介会社から受け取る重要事項説明書の内容(建築確認・検査の状況、増改築の履歴等)と、実際の書類・現況が整合しているかが特に大切です。

買主は、審査が進んだ段階で慌てないよう、事前審査の前後で資料の棚卸しを行い、必要なら専門家に確認を依頼すると安全です。

 

購入前に起きやすい詰まりどころ
  • 書類不足や現況不一致が後から判明し、審査・契約スケジュールがタイトになることがあります。
  • 「新耐震だから大丈夫」と判断して調査を省き、入居後に補修が必要になるケースがあります。
  • 疑義がある場合は、契約条件や調査の実施時期を含めて調整するのが現実的です。

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売却・税金・補助の要点

新耐震基準の話題は「買う側の判断軸」として語られがちですが、売主側でも、説明の仕方や書類の揃え方で取引のスムーズさが大きく変わります。

特に中古住宅では、買主が気にするのは新耐震かどうかだけでなく、建物の状態、増改築の有無、改修履歴、調査結果の有無です。これらが曖昧なままだと、契約条件の調整が増えたり、引渡し直前に追加資料が必要になったりして、売却計画が崩れやすくなります。

 

また、耐震改修を行う場合は、税の優遇や自治体の補助が使えることがありますが、制度ごとに要件や必要書類が異なり、申請の時期(工事前申請が必要か等)も重要です。

売却を見据えるなら、改修の前後で残すべき証明書や図書を意識しておくと、買主への説明と各種手続きが一気に楽になります。

 

売却前に整理すると強い3点
  • 建築確認済証・検査済証、改修・増改築の履歴など「事実を示す資料」
  • インスペクションや耐震診断を実施した場合の「結果の書類」
  • 税制・補助を使う可能性がある場合の「証明書の取り方と申請時期」

 

重要事項説明での伝え方ポイント

売却時の重要事項説明は、宅地建物取引業者(仲介会社)が買主へ説明する手続きですが、実務では売主が持つ情報が説明の精度を左右します。伝え方の基本は、推測ではなく「資料で確認できる事実」と「未確認である点」を分け、買主が判断に必要な情報へ一直線に到達できる形に整えることです。

例えば、インスペクション(建物状況調査)を実施した場合は、その「結果の概要」や報告書が重要事項説明で扱われる前提になりやすいため、受領した書類は保管し、仲介会社へ共有しておくと安心です。

 

共同住宅等(RC造等)では、重要事項説明の対象となる建物状況調査結果の期間が整理されているため、調査日も含めて提示できると、買主側の不安が減りやすくなります。

また、耐震診断や耐震改修を行った場合は、診断書・工事内容・証明書の有無を「いつ」「どこを」「どの基準に適合として扱う前提か(証明の種類)」まで一まとまりで示すことが、誤解や行き違いの予防になります。

 

【売主が仲介会社へ渡すと整理しやすい情報】

  • 建築確認済証・検査済証(写しでも可)と、建築確認日が分かる箇所
  • 増改築・用途変更がある場合の工事資料(図面、契約書、写真、確認記録など)
  • インスペクションの「結果の概要」および報告書(実施した場合)
  • 耐震診断結果、耐震改修の工事内容と証明書(実施した場合)
  • マンションの場合は長期修繕計画、修繕履歴、管理規約など管理関連資料

 

減税・控除で必要な書類チェック

耐震改修に関わる税の優遇は、制度名・適用要件・必要書類が細かく分かれます。ここでは代表例として、確定申告で扱う「住宅耐震改修特別控除」を中心に、書類の揃え方の考え方を整理します。

要点は、税務署に提出する書類が「工事をした事実」「一定の要件を満たす工事であること」「対象となる家屋であること」を裏付ける構造になっている点です。

 

実務上は、工事の契約書や請求書だけでは足りず、建築士等が発行する証明書や、市町村が発行する証明書が求められることがあります。売却を見据えて改修する場合も、これらの証明書を取得して保管しておくと、買主への説明や後日の手続きで詰まりにくくなります。

なお、税制は年分や個別状況で適用関係が変わるため、対象制度の名称を特定したうえで必要書類を逆算するのが安全です。

制度の例 求められやすい書類の考え方(代表例)
住宅耐震改修特別控除 確定申告書に、計算明細書、増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書、家屋の建築時期を示す書類(登記事項証明書等)を添付する形で整理されます。
固定資産税の減額等 自治体窓口へ申告書や証明書類の提出が必要になることが多く、証明書(住宅耐震改修証明書等)の様式・提出期限は市区町村で異なります。
住宅ローン控除等 中古住宅では、耐震基準への適合を示す書類が必要になる場面があり、取得方法や提出書類は適用区分で変わります。

 

耐震改修補助を探す手順

耐震改修の補助は、国の施策と地方公共団体の制度が組み合わさっていることが多く、実際に使えるかどうかは「物件所在地の自治体制度」と「対象となる住宅の条件」で決まります。

補助は予算枠がある場合があり、工事後に申請しても対象外になることがあるため、着手前の確認が重要です。探し方は、国の案内サイトで支援の全体像を押さえたうえで、自治体へ相談して要件と申請手順を確定させる流れが実務的です。

 

また、診断→設計→改修を一体で支援する枠組みが用意されている自治体もあるため、改修だけでなく、診断や設計段階から補助対象になるかを確認すると、総額(万円)の負担を見通しやすくなります。

  1. 物件所在地の自治体(建築・住宅担当)へ「耐震診断」「補強設計」「耐震改修」の補助の有無を確認します。
  2. 対象要件(建築時期、構造、居住実態、所得要件の有無など)と、申請のタイミング(工事前申請が必須か)を確認します。
  3. 必要書類(図面、現況写真、見積書、診断結果、証明書様式など)と、提出先・提出期限を整理します。
  4. 交付決定後に契約・着工し、完了報告と検査、補助金の確定という流れを確認します。

 

補助申請でつまずきやすい注意点
  • 着工後の申請は対象外になる運用があるため、契約前に手順を確定します。
  • 必要書類の様式や提出期限は自治体ごとに異なるため、最終確認は窓口で行います。
  • 売却予定がある場合は、改修内容と証明書を保管し、買主へ説明できる形にしておくと安心です。

 

まとめ

新耐震基準は、旧耐震との違いを理解し、建築確認日や確認済証・検査済証などの書類で確認するのが基本です。

物件種別により着眼点が異なり、マンションは構造や管理状況、戸建は増改築や補強の有無などの確認が重要になります。購入時は診断・調査と費用、ローン・保険条件を整理し、売却時は説明内容や控除・補助の要件を確認しましょう。判断に迷う場合は専門家に相談すると安全です。