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底地の売却方法がよく分かる5つの選び方|相手・流れ・注意点をやさしく解説

底地を売りたいものの、「借地人とどう話せばよいか」「第三者に売るとトラブルにならないか」「いくらで売れて、税金はいくらかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

本記事では、底地と借地権の基本、主な売却先の選び方、手続きの流れ、価格の決まり方、税金やトラブルの注意点をやさしく整理します。大まかな全体像をつかんだうえで、実際の売却では不動産や税金の専門家と相談しながら判断することを前提に読み進めてください。

 

底地売却の基本知識

底地を売却しようとするとき、多くの方が最初につまずくのが「そもそも底地とは何か」「普通の土地と何が違うのか」という点です。

底地とは、借地権(建物を建てるために土地を借りている権利)が付いている土地の所有権のことを指し、借地人がいるかぎり、地主は自由に土地を使ったり、更地にして売却したりすることが難しい状態になっています。

 

この「使いにくさ」が、底地の価格や売却方法に大きく影響します。
また、底地の売却では、地主(売主)だけでなく、借地人、将来の買主、場合によっては金融機関や相続人など、多くの関係者の利害が絡みます。

底地と借地権の関係、借地人の権利がどのように守られているか、税金の扱いなどの基礎を押さえておくと、「なぜこの売却方法なのか」「なぜこの価格なのか」を冷静に判断しやすくなります。

 

底地売却でまず押さえたい3つの視点
  • 底地は「借地権が付いた土地の所有権」であり、自由に使えない前提があること
  • 借地人の権利は法律で強く守られており、売却しても基本的にはそのまま引き継がれること
  • 通常の土地売却よりも価格・方法・関係者調整が複雑になりやすいこと

 

底地と借地権の違いのポイント

底地と借地権は、同じ土地を別の立場から見た権利の呼び方です。地主が持っているのが「底地(底地権)」で、土地を借りて建物を建てている借地人が持っているのが「借地権」です。

実務では、借地権が付いている土地の所有権をまとめて「底地」と呼び、借地権は「建物を所有するために土地を借りている権利」と理解するとイメージしやすくなります。

 

大きな違いは、「どのような収益や制約があるか」です。底地は、地主が地代収入を得られる一方で、自分では土地を自由に利用できません。

建物の建て替えや利用内容の変更も、借地契約の内容に左右されます。一方、借地権を持つ借地人は、土地の所有権はありませんが、契約の範囲内で建物を建てたり、長期にわたって利用したりできる強い立場にあります。

 

【底地と借地権の比較イメージ】

項目 底地(地主側の立場) 借地権(借地人側の立場)
持っている権利 土地の所有権(底地権) 土地を借りて建物を建てる権利
主な収益・負担 地代収入を得る/土地の固定資産税・都市計画税を負担 建物を利用・賃貸できる/建物にかかる税金や維持費を負担
利用の自由度 借地人がいる間は原則として自由に利用・建替えができない 契約条件の範囲で建物を利用・建替えできる
売却の対象 借地権付きの土地(底地)として売却 建物と借地権をセット、または借地権のみを売却
  • 土地の所有者目線→「底地」と呼ぶ
  • 土地を借りている側目線→「借地」「借地権付き土地」と呼ぶ
  • 同じ土地でも、どちらの権利を売るかで売却方法も価格も変わる

 

底地を売りたいと思うよくある理由

底地を持っている地主が「そろそろ売却したい」と考えるきっかけには、いくつか共通するパターンがあります。

代表的なのは、長年見直されていない地代が低く、土地の評価額に対して収入が少ないケースです。固定資産税や都市計画税は地主が負担するのが一般的なため、「税金や管理の負担に比べて収益が見合わない」と感じやすくなります。

 

また、相続をきっかけに底地を取得したものの、遠方で管理が難しい、借地人とのコミュニケーションに不安がある、兄弟姉妹など相続人同士で分けにくいといった事情で売却を検討することも多く見られます。

借地契約の内容が古く、契約書が見当たらない、更新や名義変更の手続きが進んでいないなど、手続き面の不安が積み重なって「専門家に相談して売ってしまいたい」と考えるケースもあります。

 

  • 地代が低く、税金や手間に比べて収益が少ない
  • 遠方に住んでいて、借地人とのやり取りや管理が負担になっている
  • 相続対策や資産整理の一環として現金化したい
  • 共有名義の底地で、相続人同士の意見が分かれやすい
  • 古い契約のままで、更新・承継などの手続きが不安

 

このように、「収益性」「管理のしやすさ」「相続・資産整理」という3つの観点のどれかに不満や不安が出てきたときに、底地売却を検討することが多いと考えておくと整理しやすくなります。

 

底地売却で知っておきたいルールの注意点

底地売却で特に重要なのは、「借地人の権利は売却してもそのまま残る」という大前提です。地主が底地を第三者に売却しても、既存の借地契約は原則として新しい地主に引き継がれます。

借地人が一方的に不利になるような変更は、契約内容や法律の考え方から認められにくいとされています。そのため、「底地を売ったから借地契約も解消される」と考えるのは誤解です。

 

法的には、底地は地主の所有物であり、借地人の同意がなくても売却自体は可能とされています。

ただし、実務上は、借地人に何の説明もないまま知らない第三者がいきなり新しい地主になるとトラブルのもとになりやすいため、事前の説明や、場合によっては借地人への優先的な打診(「底地を買いませんか」という提案)を行うことが多いです。

 

借地契約書の中に、底地を売却する際の条件や通知について定められている場合もあるため、売却前に契約書の内容を確認しておくことが欠かせません。

さらに、普通借地権か定期借地権かによって、契約期間満了後の扱いや更新・再契約の可能性が変わります。

 

定期借地権の場合は、契約終了時に更地で返還されるのが原則とされているため、底地の価値や将来の利用計画の考え方も異なります。

売却を検討するときは、契約の種類・残存期間・地代・承諾料などの条件を整理し、誰にどのタイミングで説明するかを決めておくことが重要です。

 

底地売却前に必ず確認したいルール
  • 借地契約書の有無・内容(契約期間、更新条件、地代、承諾に関する取り決めなど)
  • 普通借地権か定期借地権か、その残り期間がどれくらいか
  • 底地を売っても借地人の権利は基本的にそのまま続くこと
  • 借地人への説明や関係づくりを怠ると、売却後にトラブルになりやすいこと

 

これらのルールや考え方はあくまで一般的な整理であり、個々の契約内容や事情によって結論が変わることがあります。

実際に底地を売却する際には、不動産に詳しい専門家や弁護士・税理士などに個別相談しながら進めることをおすすめします。

 

底地売却方法の選び方

底地の売却と一口にいっても、「誰に売るか」「どんな形で売るか」によって、価格・スピード・手間が大きく変わります。

代表的なのは、借地人に売る方法、第三者の投資家などに売る方法、底地と借地権をまとめて売る方法、底地買取会社に売る方法の4パターンです。

 

それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが正解というものではありません。

借地人との関係、将来その土地をどうしたいか、相続や資産整理の方針、現金が必要なタイミングなどを整理したうえで、自分の状況に合う方法を選ぶことが大切です。

 

  • 相手(借地人・第三者・買取会社)ごとの特徴を知ること
  • 価格だけでなく、スピード・手間・トラブルの可能性も比較すること
  • 自分や家族の将来の方針と合うかどうかを考えること

 

借地人に売るときのメリット比較

借地人に底地を売る方法は、現場でよく選ばれるパターンのひとつです。借地人から見ると、土地の所有権も取得できるため、「土地と建物の一体利用」ができ、将来の建て替えや売却の自由度が高まります。

地主側から見ても、すでに関係がある相手に売却するため、第三者への売却よりも話がまとまりやすいケースが多いです。

 

一般的には、借地人に売る場合、借地権の評価を踏まえた「折り合い価格」を探る形になります。借地人にとっては地代の支払いがなくなる、地主にとっては低い地代に悩まされることがなくなるなど、双方にメリットがあるため、合意しやすいという特徴があります。

ただし、借地人側の資金力や金融機関の融資の可否によっては、希望しても実現できない場合もあります。

 

観点 地主側のメリット 借地人側のメリット
価格 第三者売却より話がまとまりやすい傾向 土地と建物を一体で所有できる
スピード 関係者が既に特定されており、交渉の相手が限定される 将来の更新・地代交渉の不安が減る
将来の安心感 相続や管理の手間から解放される 使い慣れた場所を長期的に利用しやすい

 

借地人に売却を打診しやすいケース
  • 借地人と長年の付き合いがあり、関係が良好なとき
  • 借地人が店舗や自宅として長期利用しており、買い取り意欲がありそうなとき
  • 後継ぎがおらず、地代収入にこだわらず整理したいと考えているとき

 

第三者に売るときのリスク注意点

底地を第三者の投資家や個人に売る方法もありますが、この場合は注意点が多くなります。

法的には借地人の同意がなくても売却は可能ですが、借地契約は新しい地主に引き継がれるため、借地人にとっては「知らない人がいきなり地主になる」形になります。

 

事前説明を怠ると、地代の支払い、更新、建て替えの承諾など、今後のやり取りの場面で不信感が生まれやすくなります。

第三者側から見ると、地代水準や契約内容によって底地の利回りが大きく変わるため、購入前の調査に時間をかけるのが一般的です。

 

土地の評価額が高くても、地代が低い、契約期間が長い、更新が予定されているなどの条件が重なると、希望価格よりも査定額が下がることもあります。

また、第三者が購入後に地代増額や契約条件の見直しを求めた場合、借地人との間で紛争につながる可能性も否定できません。

 

第三者に売却するときの主なリスク
  • 借地人との関係が悪化し、トラブル相談や苦情が増えるおそれがあること
  • 新しい地主が地代増額や条件変更を強く求め、紛争リスクが高まること
  • 契約内容や地代水準によっては、期待したほどの売却価格にならないこと

 

第三者売却を検討する場合は、借地契約書の内容を整理したうえで、借地人への説明方法や、新しい地主との関係性がどう変わり得るかを事前にイメージしておくことが重要です。

 

底地と借地権を一緒に売るときの考え方

底地と借地権をまとめて売却する「底地・借地権の一体売却」は、地主と借地人が協力して行う方法です。

土地の所有権と借地権を一つにまとめて、更地に近い条件で売ることができるため、一般的には底地だけ・借地権だけを別々に売る場合よりも、全体として高い価格が付きやすいと言われています。

 

この方法では、地主と借地人が事前に話し合い、どの不動産会社に仲介を依頼するか、売却価格の目安をどう考えるか、売却代金をどのような割合で分けるかといった点を決めておく必要があります。

借地人にとっては移転先の確保や引っ越し費用、地主にとっては固定資産税や譲渡所得税など、それぞれの事情が異なるため、「双方にとって納得できるライン」を探る調整が不可欠です。

 

観点 地主側のポイント 借地人側のポイント
価格 底地単独よりも総額が高くなりやすい 借地権の価値を価格に反映してもらいやすい
手間 借地人との調整や日程のすり合わせが必要 引っ越し・移転の準備が必要になる場合がある
将来 土地を完全に手放し、管理の手間をゼロにできる 現在の場所での営業や居住を続けることが難しくなる
  • 土地の値段をできるだけ高くしたいとき
  • 土地を更地にして活用したい買主を想定できるとき
  • 地主・借地人ともに「このタイミングで整理したい」という方向性がそろっているとき

 

このような条件がそろう場合には、一体売却が選択肢に入ってきます。ただし、利害が複雑になりやすいため、不動産会社や専門家に入ってもらい、条件整理や契約内容の調整をしていくことが望ましい方法です。

 

底地買取会社に相談するときの目安

最近は、底地の買取を専門的に行う会社も増えてきており、「底地買取会社にまとめて売却する」という方法も現実的な選択肢になっています。

買取会社に売る場合の大きな特徴は、売却までのスピードが比較的早く、一般の買主を探す手間が少ないことです。

 

借地人への説明や今後の管理は買取会社が担うため、「自分では調整が難しい」と感じている地主にとっては負担を減らせる方法といえます。

一方で、買取会社は購入後の運用やリスクを織り込んで価格を決めるため、一般の投資家や一体売却の場合と比べると、売却価格がやや抑えられる傾向があります。

 

複数の会社に査定を依頼し、条件や対応の丁寧さを比較することが大切です。

また、買取会社によって、借地人との調整方針や将来の活用方針が異なるため、借地人との関係をできるだけ穏やかに保ちたい場合は、その点も確認ポイントになります。

 

底地買取会社を検討しやすいケース
  • できるだけ早く現金化したい事情がある(相続税・借入返済など)
  • 借地人の数が多く、自分だけで調整するのが難しい
  • 遠方に住んでいて、これ以上管理や連絡対応に時間をかけたくない
  • 価格よりも「手間を減らしてスッキリ整理すること」を重視したい

 

底地買取会社に相談するときは、査定額だけでなく、手数料・必要な諸費用・支払いまでのスケジュールなども確認し、自分の希望や家族の方針と合うかどうかを総合的に判断することが重要です。

 

底地売却の進め方の流れ

底地売却は、思いつきで動くよりも、「事前準備→関係者への説明→売買契約→決済・引き渡し」という流れを意識して進めると全体像をつかみやすくなります。

普通の土地売却と似ている部分もありますが、底地の場合は、借地人や共有者との関係整理、借地契約書の確認など、追加で確認しておきたいポイントが多くなります。

 

まずは、手元の資料と契約内容を整理し、自分の底地がどのような条件なのかを把握します。

そのうえで、誰に売るのが現実的か、いつまでに現金化したいか、家族や相続人の意向はどうか、といった点を整理しながら、相談先(不動産会社・弁護士・税理士など)を選んでいくイメージです。

 

  • 事前準備で「何が分かっていて、何が分からないか」をはっきりさせること
  • 借地人・共有者など、関係者とのコミュニケーションの段取りを決めておくこと
  • 売買契約と同時に、登記や税金の手続きもセットで考えること

 

売却前に準備する書類と情報チェック

底地売却をスムーズに進めるには、売却前の情報整理がとても重要です。不動産会社や専門家に相談するときも、基本的な資料がそろっているかどうかで、話の具体性や査定の精度が大きく変わります。

まずは、次のような書類・情報を手元に集めておきましょう。

 

【事前に確認しておきたい主な書類】

  • 不動産登記事項証明書(土地の名義・地目・持分など)
  • 公図や地積測量図(境界や面積の確認用)
  • 固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書(評価額・税額の確認用)
  • 借地契約書(土地賃貸借契約書・覚書・更新契約書など)
  • 建物の登記事項証明書(借地人名義かどうかの確認)
  • 地代の金額・支払状況・滞納の有無に関するメモ
  • 相続で取得した場合→遺産分割協議書や相続登記の状況

 

これらがすべて完全にそろっていなくても構いませんが、「どの書類がどこまであるか」をメモしておくと、相談先も不足している点を把握しやすくなります。

借地契約書が見当たらない場合は、借地人に写しが残っていないか確認する、古い書類でも日付や条件の手がかりになる部分を探す、といった対応から始めていきます。

 

書類・情報整理でチェックしたいポイント
  • 土地・建物の名義と持分が誰になっているか
  • 借地契約の期間・更新歴・地代・承諾に関する取り決め
  • 固定資産税などの税金が誰名義で、負担はどうなっているか

 

借地人や共有者への声かけと話し合いの進め方

底地売却では、借地人や共有者とのコミュニケーションがとても大切です。

法律上、底地は地主の所有物なので、一定の条件のもと売却すること自体は可能ですが、借地人や共有者がまったく事情を知らないまま話を進めると、結果的にトラブルの種になりやすくなります。

 

借地人への声かけは、「売却することを決めたあと」ではなく、「売却を検討し始めた段階」で一度現状を共有するイメージが良いでしょう。

たとえば、「相続や今後の管理を考えて、底地の整理を検討している」「将来的に借地人の方に買い取ってもらうことも含めて考えたい」といった、方向性レベルの話からスタートすると、お互いの希望を出しやすくなります。

 

共有名義の底地であれば、共有者全員に情報が行き渡っているかどうかも重要です。一部の共有者だけで話を進めると、後から異論が出て、契約が止まってしまうこともあります。

話し合いの場を設ける前に、簡単なメモやメールで「現状・課題・検討している選択肢」を共有し、意見を集める進め方も有効です。

 

声かけ・話し合いで注意したいこと
  • 「売るかどうか」ではなく、「今後どうしていくか」を一緒に考えるスタンスで話すこと
  • 借地人・共有者の生活や事業への影響を踏まえて、急な期限設定は避けること
  • 感情的な対立が強い場合は、早めに専門家に同席を依頼すること

 

売買契約からお金の受け取りまでの流れ

底地売却の契約から決済までの基本的な流れは、一般の土地売却と似ていますが、借地人の承諾や書類のやりとりなど、いくつか追加のステップが入ることが多くなります。全体像を把握するために、代表的な流れを整理しておきましょう。

 

【底地売却の一般的な流れ】

  1. 不動産会社に査定を依頼し、売却方針(売り方・希望価格・スケジュール)を決める
  2. 不動産会社と媒介契約を結び、購入希望者を探す
  3. 条件に合う買主候補が見つかったら、価格・引渡し時期などを調整する
  4. 重要事項説明を受けたうえで、売買契約を締結し、手付金を受け取る
  5. 借地人の承諾書や必要書類をそろえ、決済・所有権移転登記を行う
  6. 残代金を受け取り、固定資産税の清算や引き渡し後の連絡事項を整理する

 

底地の場合、買主が第三者であれば、決済までに借地人への説明や承諾の段取りを合わせて進める必要があります。

借地人に底地を売る場合でも、契約書の内容や支払方法、今後の税金や名義変更の手続きなど、確認しておく項目は多くなります。

決済時には、司法書士が立ち会い、不動産登記(所有権移転)と残代金の受け取りを同時に行うのが一般的です。

 

  • 契約前に「必要書類」「支払い時期」「税金の目安」を一覧にしておくと安心
  • 決済日までに、印鑑証明書や本人確認書類の有効期限を確認しておくこと
  • 売却後の確定申告が必要になるケースも多いため、契約書や計算メモは大切に保管すること

 

不動産会社や専門家に頼るタイミングの目安

底地売却は、地主だけで完結させるのが難しいテーマです。

不動産会社・弁護士・税理士・司法書士など、それぞれ得意分野の違う専門家と連携しながら進めた方が、安全でスムーズな売却につながりやすくなります。「どのタイミングで、誰に相談するか」の目安も整理しておきましょう。

 

専門家 主な相談内容 相談しやすいタイミング
不動産会社 底地の査定価格、売却方法の提案、買主探し 売却を検討し始めた段階〜具体的な売却方針を決める前
弁護士 借地人・共有者とのトラブル懸念、契約内容のリスク確認 話し合いが難航しそうなとき、過去に紛争があったとき
税理士 譲渡所得税の見通し、相続対策、節税の一般的な考え方 売却価格のおおまかな見込みが立った段階〜契約前
司法書士 所有権移転登記、相続登記、共有持分の整理 売買契約締結前後〜決済日までの間

 

専門家に早めに相談したいケース
  • 借地契約書が見当たらず、条件がはっきりしない
  • 借地人や共有者との関係がこじれそう、または過去にトラブルがあった
  • 相続税や譲渡所得税がどれくらいかかるか心配で、試算してから動きたい
  • 自分だけで判断するのが不安で、第三者の意見を聞きながら進めたい

 

専門家への相談は、「結論が出てから」ではなく、「結論を出す前」に利用することで価値が高まります。

底地売却は一度進めると後戻りが難しい場面もあるため、独断で進めず、必要に応じて外部の視点を取り入れながら判断していくことが大切です。

 

底地売却の値段と税金の基本

底地を売却するときに多くの方が気になるのが「いくらで売れるのか」と「税金がどれくらいかかるのか」です。

底地の値段は、その土地を更地として評価した場合の価格(自用地としての価額)を出発点に、借地権が付いていることによる制約や、地代・契約内容などを考慮して決まっていきます。

 

一方、売却して利益(譲渡所得)が出た場合には、所得税・住民税などがかかる可能性があります。

加えて、売買契約書には印紙税が必要になるなど、いくつかの税金が関係してきます。ここでは、あくまで一般的な考え方として「値段の決まり方の目安」と「主な税金の種類」「税金を軽くできる制度の例」を整理します。

実際の価格や税額は個別事情や法令改正の影響を受けるため、具体的な取引前には必ず専門家や税務署などで確認することが大切です。

 

底地の値段が変わる主なポイント

底地の値段は、「更地としての価値」だけを見て決まるわけではありません。借地権が付いているため、地主自身が土地を自由に使えないことや、地代水準、契約内容などがマイナス要素として働きます。

一般的には、相続税評価などで使われる「自用地としての価額」と「借地権割合」を用いて底地の価額(貸宅地の価額)を算定する考え方がよく使われますが、実際の売買では、これに市場での需給やリスク要因が上乗せされて判断されます。

実務上、底地の値段に影響しやすい主なポイントは次のようなものです。

 

  • その土地の更地としての価値(路線価、公示地価、近隣の取引事例など)
  • 借地権割合(地域ごとに決められた、借地権の価値の割合)
  • 地代の水準(周辺相場と比べて高いか低いか、見直し余地があるか)
  • 借地契約の残り期間(長いほど底地としての自由度は低くなりがち)
  • 借地人の数や属性(個人か法人か、滞納の有無など)
  • 土地の形状・接道状況・用途地域などの物理的条件
  • 底地が単独所有か共有か、相続登記が済んでいるかどうか

 

【底地の値段に影響する要素イメージ】

分類 プラスに働きやすい条件 マイナスに働きやすい条件
借地契約 地代が適正水準、契約内容が明確で紛争がない 地代が極端に低い、契約書不備・更新トラブルの懸念がある
物件条件 駅近・接道良好・整形地など利用価値が高い 旗竿地、間口が狭い、不整形地で活用しにくい
権利関係 単独所有、相続登記済み 共有者が多い、未分割の相続が残っている

 

査定前に整理しておきたいポイント
  • 路線価や固定資産税評価額など「基準となる価格」を把握しておく
  • 借地契約書を確認し、期間・地代・更新条件などをメモしておく
  • 借地人との関係や地代の滞納状況など、リスク要因を整理しておく

 

更地価格から底地価格をざっくり出す目安

底地の値段をイメージするときによく使われるのが、「更地価格」と「借地権割合」を使った簡易的な計算方法です。相続税評価などで使われる一般的な考え方では、次のような整理がよく用いられます。

 

  • 借地権の価額 → 自用地としての価額 × 借地権割合
  • 貸宅地(底地)の価額 → 自用地としての価額 − 自用地としての価額 × 借地権割合

 

例えば、次のようなイメージです。

 

  • 路線価:1㎡あたり30万円の道路に面した土地
  • 土地面積:100㎡
  • 自用地としての価額:30万円 × 100㎡ = 3,000万円
  • 借地権割合:60%の地域

 

この場合、簡易的な計算では、
・借地権の価額 → 3,000万円 × 60% = 1,800万円
・貸宅地(底地)の価額 → 3,000万円 − 1,800万円 = 1,200万円
というイメージになります。

一方、実際の売買価格は、税務上の評価だけでなく、市場の状況や買主の考え方によって変わります。

民間の解説などでは、借地人に底地を売るケースで「更地価格の50%前後」、第三者に売るケースで「更地価格の10〜20%程度」といった目安が紹介されることもありますが、あくまで一般論であり、地域・契約条件・地代水準などによって大きく変動します。

 

底地価格の目安を使うときの注意点
  • 路線価や借地権割合はあくまで「評価の目安」であり、実際の売買価格とは一致しないことが多い
  • 同じ借地権割合でも、地代水準や契約条件によって底地の評価は変わる
  • 机上計算だけで決めず、必ず複数の不動産会社や専門家の意見を聞く

 

底地を売ったときにかかる主な税金の種類

底地を売却して利益が出た場合、その利益は一般に「譲渡所得」として扱われ、所得税と住民税の対象になります。土地・建物を売ったときの譲渡所得は、基本的に次のように計算されます。

 

  • 譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) −(取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額
  • 所有期間が5年超 → 長期譲渡所得
  • 所有期間が5年以下 → 短期譲渡所得

 

底地売却で関係してくる主な税金は、次のようなものです。

税目 内容 ポイント
所得税・復興特別所得税 譲渡所得に対して課税される国の税金 所有期間によって税率が変わる(長期・短期)、復興特別所得税が上乗せされる
住民税 譲渡所得に対して課税される地方税 原則として一定の率がかかるが、詳細は自治体やその時点の制度による
印紙税 売買契約書に貼る収入印紙にかかる税金 契約金額ごとに税額が定められており、売主・買主のどちらが負担するかは当事者間の取り決めによる

 

実務では、
・長期譲渡(所有期間5年超)の場合→所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて「おおむね20%台」
・短期譲渡(所有期間5年以下)の場合→同じく「おおむね40%前後」
といった水準が目安として紹介されることが多いですが、実際の税率や税額は、その時点の法律や特例の有無、ほかの所得の状況などによって変わります。

 

底地売却で税金を確認するときのチェック
  • 取得時期・取得費・売却時の諸費用(仲介手数料・司法書士報酬など)を整理しておく
  • 所有期間が「5年超か5年以下か」で税率が大きく変わることを意識する
  • 具体的な税額は、税務署や税理士に試算を依頼し、自分で決めつけない

 

税金を軽くできる制度があるかのチェック

底地売却でも、条件によっては「譲渡所得の特別控除」などの制度を利用できる場合があります。土地・建物の譲渡に関しては、国の税制上、いくつかの特例が用意されており、代表的なものとして次のような制度が挙げられます。

 

  • マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円特別控除
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売った場合の3,000万円特別控除
  • 一定の要件を満たす低未利用土地等を売却した場合の特別控除 など

 

ただし、底地は「自分が住んでいる土地」ではなく、「借地人が利用している土地」であることが多いため、居住用財産に関する特例がそのまま使えないケースも少なくありません。

一方で、相続で取得した底地の整理や、都市計画上の低未利用土地に該当する場合など、条件によっては一部の特例の対象となる可能性もあります。

 

税金の特例を検討するときの注意点
  • 特例ごとに利用できる条件が細かく決められており、自己判断で当てはめるのは危険
  • 複数の特例を同時に使えない場合や、ほかの制度との兼ね合いがある
  • 最新の制度内容は必ず公式情報で確認し、疑問点は税務署や税理士に相談する

 

底地売却では、「いくらで売るか」と同時に「税引き後に手元にいくら残るか」を意識することが大切です。

売却を検討し始めた段階で、おおまかな税負担と特例の有無を確認し、最終的な適用可否や申告手続きについては、必ず専門家の助言を受けながら判断するようにしましょう。

 

底地売却をスムーズに進めるコツ

底地売却は、通常の土地売却よりも「関係者が多い」「権利関係が複雑になりやすい」という特徴があります。

そのため、価格だけに目を向けて動き出すと、途中で借地人や家族との意見の食い違いが表面化し、話が止まってしまうことも少なくありません。

 

大切なのは、最初に「よくあるトラブルの型」を知り、その芽を早めにつぶしておくことです。

あわせて、底地に強い不動産会社・専門家を見つけ、複数の査定や意見を比較しながら進めることで、感情的な対立を減らし、納得感のある着地点を探しやすくなります。

家族や相続人とも早めに情報を共有し、「いつまでに・どの程度現金化したいのか」という全体の方針をそろえておくことが、スムーズな売却の一番の近道といえます。

 

底地売却で起こりやすいトラブルの注意点

底地売却では、「法律上は問題ないが、相手の気持ちを考えると摩擦が生じやすい」という場面が多くあります。特に多いのが、次のようなトラブルです。

 

  • 借地人への説明不足からくる不信感(「いつの間にか地主が変わっていた」など)
  • 地代や契約条件の認識の違い(口頭の約束が残っておらず、双方の言い分が食い違う)
  • 共有者の一部が売却に反対し、契約が進まない・後から異議が出る
  • 売却後の税金や諸費用を見落とし、「思ったより手取りが少ない」という不満が残る

 

こうしたトラブルは、「情報を共有していなかった」「書面で確認していなかった」ことが原因になるケースが多いです。

特に、借地人との関係は今後の生活や事業に直結するため、売却の方針やスケジュールについて、できる範囲で早めに説明しておくことが重要です。

また、共有名義の場合は、最初の段階で共有者全員に連絡を取り、「売却を検討している理由」と「考えている選択肢」を共有しておくことが、後々の対立防止につながります。

 

底地売却で避けたい主なトラブルのパターン
  • 借地人への連絡が遅れ、信頼関係が悪化する
  • 共有者の一部だけと話を進め、後から強い反対が出る
  • 税金や諸費用を十分に見込まず、手取り額に不満が残る

 

底地に強い不動産会社や専門家の探し方

底地は一般の売却案件に比べると件数が多くないため、「どの会社でも同じ」というわけではありません。

底地売却を相談する際は、「底地・借地権の取引経験があるか」「借地人や家族との調整をどこまでサポートしてくれるか」といった点を意識して選ぶと安心です。

 

具体的には、次のようなポイントを目安にするとよいでしょう。

観点 チェックしたいポイント 確認方法の例
実績 底地・借地権・共有持分など「権利関係が複雑な物件」の取り扱い実績があるか 相談時に過去の事例数や、おおまかな案件内容を聞いてみる
説明力 専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、メリット・デメリットを両方話してくれるか 初回相談での説明の分かりやすさや、質問への対応を確認する
対応姿勢 借地人・共有者との調整に前向きか、トラブル回避の視点を持っているか 「借地人にはどのように説明していきますか?」と具体的に質問する

 

不動産会社に加えて、弁護士や税理士、司法書士など、分野ごとに頼れる専門家を見つけておくと安心です。

インターネットでの情報だけでなく、自治体の相談窓口や、身近な専門職(顧問税理士など)からの紹介を活用するのも一つの方法です。

 

相談先を選ぶときのコツ
  • 1社・1人だけで決めず、複数の候補から比較して選ぶ
  • 「売却を急かさないか」「リスクもきちんと説明してくれるか」を重視する
  • 連絡の取りやすさ・相性も含めて、長く付き合える相手かどうかを見る

 

査定額や条件を比べるときのチェック

底地の査定額は、不動産会社や買取会社によって差が出ることがあります。

金額だけを見ると「一番高いところに決めたい」と考えがちですが、実際には「支払いまでのスケジュール」「借地人への対応方針」「解約になった場合の扱い」など、総合的な条件を比較することが大切です。

査定書や提案内容を比べるときは、次のような項目をチェックしましょう。

 

  • 査定額の根拠(路線価・取引事例・借地権割合など、どういう考え方で金額を出しているか)
  • 仲介か買取か(仲介なら想定売却価格と実際の成約価格の違いをどう見ているか)
  • 決済までの目安期間と、スケジュールに柔軟性があるか
  • 借地人や共有者への説明・調整をどこまでサポートしてくれるか
  • 仲介手数料・その他の諸費用(測量費、書類取得費用など)の負担はどうなっているか

 

査定比較チェックリスト
  • 「額」だけでなく、「いつ・どのような条件で現金化できるか」を必ず確認する
  • 借地人への影響や説明方針もセットで聞き、納得できるかを判断する
  • 不明点がある査定は、そのままにせず、理由や考え方を必ず聞き返す

 

数字が大きい話になるほど、細かな条件の違いが後から効いてきます。メモや簡単な一覧表を作り、家族とも共有しながら比較検討すると、冷静に判断しやすくなります。

 

家族や相続人と話し合うときのポイント

底地は、相続や家族の将来設計とも密接にかかわる資産です。「とりあえず自分の判断で売る」のではなく、可能な範囲で家族や相続人と方針をそろえておくことが、のちのトラブル防止につながります。

特に、共有名義になっている場合や、将来相続が見込まれる場合は、事前の話し合いが欠かせません。

話し合いの場では、いきなり結論を求めるのではなく、次のような情報共有から始めると対立が生まれにくくなります。

 

  • 現在の底地の状況(地代・契約内容・借地人との関係・税金負担など)
  • 売却を検討している理由(管理の負担、相続対策、資金ニーズなど)
  • 検討している選択肢(借地人への売却、第三者への売却、買取会社の利用など)
  • 売却した場合に想定されるおおまかな手取り額と、税金のイメージ

 

家族・相続人と話すときのコツ
  • 「売る・売らない」を決める前に、「現状を一緒に理解する」段階を設ける
  • 感情的な意見が出た場合は、一度持ち帰り、専門家の意見も聞いたうえで再度話し合う
  • 話し合いの内容は簡単なメモに残し、後から「言った・言わない」にならないようにする

 

底地売却は、一度決めると元に戻すことが難しい決断です。家族や相続人と丁寧にコミュニケーションを取りながら、専門家の助けも借りて、「将来の自分たちにとって無理のない選択かどうか」を確かめていくことが大切です。

 

まとめ

底地を売却するときは、①底地と借地権の関係を整理する、②借地人・第三者・買取会社など「誰に売るか」を比較する、③売却の流れと必要書類を確認する、④価格の目安と税金の影響を押さえる、という順番で考えると全体像が見えやすくなります。

そのうえで、自分の底地の状況を書き出し、登記簿や賃貸借契約書を確認しつつ、独断で決めず、必要に応じて不動産や税金の専門家に相談することが大切です。