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共有持分買取で損しない不動産売却とは?相場感と売却の5つのコツを解説

共有名義の不動産で、自分の共有持分だけ売れるのか、いくらで買い取ってもらえるのか不安な方は多いと思います。本記事では、共有持分買取の基本的な仕組み、買取相場の考え方、売却先の選び方、手続きの流れ、税金・費用の注意点までを整理して解説します。

なお、ここでの内容は一般的な説明であり、最終的な判断には専門家への個別相談も踏まえて検討することをおすすめします。

 

共有持分買取の基礎知識

共有持分の買取を検討する前提として、「何が共有になっているのか」「自分はどのくらいの割合を持っているのか」「その持分だけ売るとどういう状態になるのか」を整理しておくことが大切です。

共有といっても、典型的には相続で土地・建物を複数人で承継したケース、夫婦や親子で一緒に購入したケースなど、背景はさまざまです。

 

法律上は、1つの不動産を複数人で所有する「共有」という形が定められており、各人は「共有持分」という割合的な権利を持ちます。

共有持分の買取とは、この割合的な権利だけを第三者(他の共有者や買取業者など)に移転する取引です。

物理的に土地を切り分けたり、建物の一部を区切って売るわけではなく、「権利の持分」が動くイメージになります。

 

共有状態では、不動産の使用方法や売却の可否、必要な費用の負担方法などを、共有者どうしで決めていく必要があります。

そのため、自分の共有持分を買取してもらう前に、共有の基本ルールと、自分がどこまで自由に行動できるのかを理解しておくことが、後々のトラブル防止につながります。

 

  • 共有名義と共有持分の意味を区別して理解すること
  • 共有者の権利・義務の基本ルールを押さえること
  • 「持分だけ売る」ときに何ができて何ができないかを確認すること

 

共有名義と共有持分の違い整理

日常会話では「この不動産は共有名義です」といった言い方をしますが、法律上は「共有名義」という用語は使われず、「共有」や「共有持分」という概念で整理されます。

共有名義という表現は、登記簿上の所有者欄に複数人の氏名が記載されている状態を指す実務上の言い回しと考えるとわかりやすいでしょう。

 

一方で共有持分とは、その共有者ごとに割り当てられている権利の割合を意味します。登記簿には「2分の1」「3分の1」といった形で、各共有者の持分が記載されます。

共有持分買取の対象になるのは、この割合的な持分そのものであり、土地の一角や建物の特定の部屋といった「場所」がそのまま移るわけではありません。

 

項目 内容
共有名義 登記簿の所有者欄に複数人の氏名が並んでいる状態を指す実務用語。厳密な法律用語ではない。
共有持分 各共有者が持つ所有権の割合(例:2分の1、3分の1)。登記簿に持分として明記される。
買取の対象 共有持分買取では、特定の場所ではなく「共有持分という権利」が売買される。
イメージ 1つの不動産という「ケーキ」を、人数や負担割合に応じて「何分のいくつ」と区切って持っているイメージ。

 

共有名義という言葉だけで判断してしまうと、「自分はどのくらいの割合を持っているのか」「売れるのは不動産全体なのか、持分だけなのか」があいまいになりがちです。

買取を検討する際には、必ず登記簿謄本(全部事項証明書)を取り寄せ、所有者の人数と各自の共有持分の割合を確認するところから始めると安心です。

 

民法上の共有者の権利ポイント

共有状態の不動産には、民法でいくつかの基本ルールが定められています。まず、各共有者は共有物全体を、自分の持分に応じて使用することができます。

また、持分の割合が明らかでない場合は、原則として持分は等しいものと推定されるとされています。

共有物の利用や変更・管理についても、行為の性質に応じて求められる同意の範囲が変わります。一般的には次のように整理できます。

 

  • 保存行為(建物の簡単な補修など):各共有者が単独で行うことができる
  • 管理行為(通常の利用方法や誰が使うかの決定など):持分価格の過半数の同意で決める
  • 変更行為(用途変更や大規模な改築、売却など):共有者全員の同意が原則必要

 

さらに、固定資産税や修繕費などの費用については、各共有者が持分に応じて負担することが基本です。

特定の共有者だけが費用を負担している場合には、他の共有者に対して持分割合に応じた精算を求める余地もあります。

 

共有の状態を解消したい場合、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができ、話し合いでまとまらなければ裁判所に分割を求めることもできます。

共有持分の買取は、こうした分割請求とは別に、自分の持分だけを売買することで共有関係から離脱する一つの手段と位置づけられます。

 

共有者として押さえたい基本ルール
  • 共有物は「全部」を、持分に応じて使うのが原則であること
  • 日常的な管理は多数決、大きな変更は原則全員合意が必要なこと
  • 税金・維持費は持分に応じて負担するのが基本であること
  • 共有状態を続けるか、分割・売却するかを選ぶ権利があること

 

共有持分のみ売却できる範囲確認

通常の共有(民法上の共有)の場合、各共有者は自分の共有持分について所有権を持っており、その持分を第三者に譲渡したり、担保に入れたりすることが認められています。

したがって、原則として、他の共有者の同意がなくても「自分の共有持分だけを売る」こと自体は可能とされています。

 

ただし、契約や組合規約などで別の取り決めがある場合や、そもそも共有ではなく「総有」に近い形で管理されている財産(自治会名義の土地など)の場合には、持分の自由な処分が制限されていることもあります。

また、マンションの共用部分や敷地利用権については、区分所有法上、専有部分と分離して処分できないとされているため、「共用部分の持分だけ売る」ということはできません。

共有持分のみ売却する場合に、できること・難しいことを整理すると、次のようなイメージになります。

 

  • できることの例:
    → 自分の共有持分を、他の共有者に買い取ってもらう
    → 自分の共有持分を、第三者(共有持分買取業者など)に売却する
    → 自分の共有持分を担保に、金融機関から融資を検討する(実務上は制約が多い)
  • 難しい・できないことの例:
    → 土地の特定の一角を「自分のもの」として単独で売る(現物分割がされていない限り不可)
    → 建物の一室を、持分だけで単独所有物として扱う(区分所有や分筆など別手続きが必要)
    → マンションの共用部分の持分だけを、専有部分と切り離して売る

 

共有持分だけ売却する際の主なリスク
  • 見知らぬ第三者が新たな共有者となり、利用や管理の話し合いが複雑になるおそれ
  • 買主が実際に不動産を使えるかどうかは、他の共有者との関係や分割の有無に左右されること
  • 共有持分という性質上、買取価格が「不動産全体の持分割合どおり」にはならないことが多いこと

 

共有持分の買取は、「共有状態から抜けたい共有者」と「権利をまとめたい他の共有者や専門業者」との利害がぶつかりやすい場面でもあります。

自分のケースが通常の共有か、マンションの区分所有か、自治会所有地に近い特殊な形かによって判断が変わるため、登記簿の内容や権利の種類を確認したうえで、個別事情に応じて専門家に相談しながら進めることが望ましいといえます。

 

買取価格の相場と評価方法

共有持分の買取価格を考えるときは、「不動産全体の価格」と「自分の持分割合」と「誰に売るのか」を分けて整理することが大切です。

まず、不動産会社の査定や近隣の成約事例などから、不動産全体のおおよその市場価格を把握します。次に、その価格に自分の持分割合を掛けて「理論上の持分価格」を計算します。

 

そのうえで、実際にいくらで売れるのかは、他の共有者に売るのか、第三者の投資家・共有持分買取業者に売るのかによって大きく変わります。

共有者どうしの売買であれば理論上の持分価格に近い金額を基準にしやすい一方、第三者にとって共有持分は利用や交渉のリスクが高いため、理論値から大きく割り引かれるのが一般的です。

買取価格だけを見るのではなく、「税金・諸費用を引いた後の手取り額」や「共有状態から解放されるメリット」も合わせて比較しながら検討すると、納得感のある判断につながりやすくなります。

 

  • 不動産全体の市場価格を把握する
  • 持分割合を掛けて理論上の持分価格を出す
  • 売却先ごとに現実的な価格水準をイメージする
  • 税金・諸費用を差し引いた手取り額で比較する

 

共有持分価格を考える基本の流れ
  • 全体の相場 → 持分割合 → 割引幅の順に整理する
  • 共有者への売却か、業者への売却かで前提価格が変わると理解しておく

 

共有持分評価額の算定ポイント

共有持分の評価を決めるときは、「いきなり金額を決める」のではなく、段階的に考えると整理しやすくなります。基本的なステップは次のとおりです。

 

【共有持分評価のステップ】

  1. 不動産全体の市場価格の目安を把握する
    不動産会社の査定価格、近隣の取引事例、公的な地価情報などを参考に、土地・建物全体の値段のおおよそのレンジをつかみます。
  2. 市場価格に持分割合を掛けて「理論上の持分価格」を出す
    例:不動産全体の市場価格4,000万円、持分1/2の場合
    → 理論上の持分価格:4,000万円×1/2=2,000万円
  3. 売却先ごとの割引幅を考慮して「実際の買取価格」の目安を検討する
    共有者への売却か、第三者への売却か、物件の利用状況やトラブルの有無などを踏まえ、どの程度のディスカウントが妥当かを考えます。

 

共有者間での売買であれば、理論上の持分価格に近い水準を出発点にしつつ、将来の維持費負担やリフォーム費用をどう分担するかなども話し合いに含めることが多いです。

一方で、共有持分買取業者・投資家など第三者への売却では、その後の交渉や立退き、訴訟対応といったリスク・コストを織り込むため、理論値より大きく割り引かれる前提で考える必要があります。

 

ざっくりとしたイメージ整理
  • 理論上の持分価格=「不動産全体の市場価格×持分割合」
  • 共有者への売却 → 理論値に近い水準になりやすい
  • 第三者への売却 → 理論値からかなり割り引かれることが多い

 

路線価・固定資産税評価の目安

市場価格がはっきり分からないときでも、相続税路線価や固定資産税評価額であれば、路線価図や固定資産税納税通知書から確認できることが多くあります。

これらは本来、税金計算のための評価額ですが、「おおよその土地価格の水準」を知るための目安として活用することができます。

 

一般的には、国の地価公示(毎年1月1日時点の土地価格)を100とすると、相続税路線価はそのおおむね80%程度、固定資産税評価額はおおむね70%程度になるように調整されているとされています。

これを逆算に使うと、「路線価から公示価格に近い水準を推計する」といった考え方ができます。

 

指標 主な用途 水準のイメージ(宅地)
地価公示 土地取引や制度の基準となる価格 基準となる価格(毎年1月1日時点)
相続税路線価 相続税・贈与税の土地評価 地価公示のおおむね80%程度
固定資産税評価額 固定資産税・都市計画税の課税の基礎 地価公示のおおむね70%程度

 

例えば、相続税路線価が1㎡あたり20万円の道路に面した宅地であれば、単純化したイメージとしては「地価公示ベースで約25万円/㎡(20万円÷0.8)」前後といった水準を想定することができます。

このようにして土地全体の価格感をつかんだうえで、建物の価値や老朽度合いを加味し、最終的な不動産全体の市場価格の目安につなげていきます。

 

ただし、路線価や固定資産税評価額はあくまで税金計算のための金額であり、実際の売買価格や共有持分の買取価格と一致するわけではありません。

「市場価格と完全には一致しないが、おおまかな水準を把握するための材料」として参考程度に用いるのが安全です。

 

評価額を利用するときの注意点
  • 路線価・固定資産税評価額は税金計算用の評価であること
  • 市場価格とはズレがある前提で、「目安」として使うにとどめること

 

持分割合と買取単価の下がり方比較

同じ不動産でも、持分割合が異なると、買主から見た「使いやすさ」や「交渉力」が変わるため、買取単価の下がり方にも違いが生じます。

特に第三者である買取業者や投資家は、取得する持分の大きさによって、将来的に他の持分を買い集められるか、共有関係の中でどれだけ発言力を持てるかを慎重に見ています。

 

一般的なイメージを、簡略化した例で整理すると次のようになります(あくまでイメージであり、実際の査定は物件ごと・業者ごとに大きく異なります)。

理論上の持分価格
(市場価格×持分割合)
第三者買取の
イメージ水準
1/2持分 4,000万円×1/2=2,000万円 理論値の30〜50%程度(600〜1,000万円前後のレンジイメージ)
1/3持分 4,000万円×1/3≒1,333万円 理論値の30〜50%が一つの目安だが、交渉状況によってさらに下がることもある
1/10持分 4,000万円×1/10=400万円 持分が小さい分、発言力が弱くリスクが大きいため、理論値の20〜40%程度など、より大きな割引となるケースもある
  • 持分が大きいほど、将来他の持分を集約して一体で売却するなどの出口戦略を描きやすい
  • 持分が小さいほど、決定権が弱く、トラブルに巻き込まれるリスクが相対的に高い
  • 買主側がすでに他の持分を多く持っている場合など、同じ割合でも評価が変わることがある

 

このように、持分割合は単なる「数字」ではなく、「共有関係の中でどれだけ影響力を持つか」を表す指標でもあります。

買取価格の相場感をつかむときには、自分の持分割合だけでなく、「他の共有者がどのくらいの割合を持っているか」「誰が実際に住んでいるのか」といった情報もセットで整理しておくと、納得しやすい判断材料になります。

 

買取業者利用時の価格帯チェック

共有持分専門の買取業者に相談する場合、「どのくらいの価格帯なら妥当と言えるのか」「提示金額が極端に安くないか」を自分でも確認できるようにしておくことが重要です。

複数の実務情報を総合すると、第三者による買取では、「不動産全体の市場価格×持分割合」の理論値から、さらに大きくディスカウントされるのが一般的な傾向とされています。

 

【買取業者の価格帯をチェックする流れ】

  1. 一般の不動産会社に「不動産全体」の売却相場を簡易査定してもらう
  2. その市場価格に自分の持分割合を掛けて「理論上の持分価格」を計算する
  3. 買取業者から提示された金額が、理論値の何%になっているかを計算する
    (例:理論値2,000万円、提示価格800万円 → 理論値の40%)
  4. 複数社から査定を取り、価格だけでなく、手数料・契約条件・支払い時期なども比較する

 

価格だけで決めないためのチェックポイント
  • 「一番高い金額」だけでなく、契約条件・支払い時期・明け渡し条件も必ず確認すること
  • 極端に高い金額を提示する業者は、後から減額条件が付く可能性もあるため慎重に検討すること

 

買取業者の査定は、それぞれの会社が想定するリスクや将来の出口戦略を織り込んだ結果です。同じ物件・同じ持分割合でも、業者によって100万円単位で差が出ることも珍しくありません。

大切なのは、「不動産全体の相場」「理論上の持分価格」「各社の提示金額(理論値に対する%)」を整理しつつ、税金や諸費用を差し引いた後の手取り額と、共有状態から早期に抜けられるメリットを総合的に見て判断することです。

 

売却先の種類と選び方

共有持分を手放したいときの選択肢は、「誰に売るか」によって大きく変わります。

大きく分けると、①他の共有者に売る、②一般の不動産会社・投資家に売る、③共有持分専門の買取業者に売る、という3つのルートがあり、これに加えて「買取ではない解決策(共有物を一括で売却する・分割請求を行うなど)」も現実的な選択肢になります。

それぞれ、価格の出やすさ・スピード・トラブルリスクの大きさが異なるため、「とにかく早く現金化したいのか」「多少時間がかかっても手取りを重視したいのか」など、自分が何を優先したいかを整理したうえで選ぶことが重要です。

 

売却先 主な特徴 向いているケース
他の共有者 理論値に近い価格になりやすいが、感情面の調整が必要 親族間で話し合いができ、全体の権利を整理したい場合
不動産会社・投資家 取り扱う先は限られるが、市場感を踏まえた提案が期待できる 投資家が多いエリアや、収益物件として魅力がある場合
共有持分専門買取業者 現金化が早い一方、価格は低くなりやすい 早期の資金化や共有関係からの離脱を最優先したい場合

 

売却先を決める前に整理したいこと
  • 重視したいのは「価格」か「スピード」か「トラブル回避」か
  • 他の共有者との関係性(話し合いができるかどうか)
  • 物件の立地・用途(居住用か投資用か)

 

他の共有者へ売却するケースのポイント

他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法は、理論上の持分価格に近い水準で売却しやすく、買う側にとっても「持分を集約して権利関係をシンプルにできる」という利点があります。

特に相続で兄弟姉妹が持ち合っているケースなどでは、「誰か一人が取得して管理・売却をまとめて引き受ける」という方向性が取りやすく、共有状態の解消にもつながります。

他の共有者への売却を検討するときのポイントは、次のとおりです。

 

  • 価格をどう決めるか
    → 不動産全体の評価額×持分割合を基準にしつつ、将来の維持管理費やリフォーム負担などを加味して調整することが多いです。
  • 税金・贈与とみなされるリスク
    → あまりに安い価格で売ると、税務上、時価との差額が「贈与」と評価されるおそれがあります。
  • 感情面の調整
    → 金額の話し合いがうまくいかないと、人間関係の悪化につながる可能性もあるため、第三者の専門家を交えて冷静に話し合うことも有効です。

 

身内への持分売却で注意したい点
  • 「身内だから」と大きく安くし過ぎると、贈与税のリスクが生じる可能性がある
  • 口約束ではなく、売買契約書や領収書などの書面を残しておくことが重要

 

他の共有者への売却は、相場に近い価格でまとまりやすい一方で、「お金の話」をすること自体に抵抗感がある方も少なくありません。

感情的な対立を避けるためにも、事前に自分なりの希望条件を整理したうえで、必要に応じて不動産会社や税理士に相談しながら進めると安心です。

 

一般の不動産会社・投資家へ売却する注意点

共有持分だけを一般の不動産会社に仲介してもらうのは、実務上、それほど多くありません。

不動産会社の多くは、土地・建物全体の売買を得意としており、「共有持分のみ」を単独で買う一般顧客は限られているからです。そのため、一般の不動産会社に相談した場合、次のような流れになることが多いです。

 

  • 不動産全体で売却する案の提案
    → 共有者全員が合意できるなら、物件を一括で売却し、売却代金を持分割合で分ける方法を提案されることがあります。
  • 投資家や共有持分を扱える買主の紹介
    → 不動産会社が取引実績のある投資家・業者に声をかけ、共有持分の買主を探すケースもあります。
  • 取り扱いを断られるケース
    → 物件の条件やエリアによっては、共有持分のみの相談は断られることもあります。

 

注意したいのは、一般の不動産会社や個人投資家が共有持分を購入する場合、利用しづらさや他の共有者との交渉負担を見込んで、値段を大きく抑えてくる傾向があることです。

また、仲介で売却する場合には仲介手数料が発生し、決済時の司法書士報酬なども別途かかります。

 

一般の不動産会社・投資家に売る際の注意点
  • 共有持分だけの取引は扱っていない会社も多い
  • 仲介で売る場合は、仲介手数料も含めた「手取り額」で比較する
  • 買主が見つかるまで時間がかかる場合もある

 

一般の不動産会社に相談するメリットは、「不動産全体の市場価格」を客観的に教えてもらえることです。

まずは簡易査定を取り、不動産全体の相場感をつかんだうえで、共有持分だけを売るか、それとも全体売却を共有者全員で検討するかを考えるとよいでしょう。

 

共有持分専門買取業者を選ぶ基準チェック

共有持分専門の買取業者は、「共有者間の関係が悪く話し合いが進まない」「早く現金化したい」というケースに対応するためのプレーヤーです。

共有状態のまま権利だけを取得し、他の共有者との交渉や必要に応じた法的手続きも見据えながら事業を行っています。

 

その分、買取価格は低くなりやすいものの、スピードと確実性がメリットになります。

業者選びでチェックしたい主なポイントは、次のとおりです。

 

  • 宅地建物取引業の免許の有無と、会社の基本情報(所在地・資本金・代表者など)
  • 共有持分の買取実績(件数・エリア・物件種別など)
  • 査定の根拠をどこまで説明してくれるか(全体価格・持分割合・ディスカウントの理由)
  • 手数料の有無(買取のため仲介手数料が不要かどうか)
  • 買取後に他の共有者とトラブルになった場合の対応方針
  • 契約書の内容(違約金・キャンセル条件・支払い時期など)

 

共有持分買取業者を見極めるチェックリスト
  • 電話やメールの説明が具体的で、デメリットも隠さず話してくれるか
  • 複数社の査定結果を比較し、大きく条件が違う場合は理由を確認したか

 

共有持分専門業者の中には、「無料相談」や「オンライン査定」を行っている会社もありますが、提示された金額だけで即決するのは避けたいところです。

不動産全体の相場と自分の持分割合を自分でも把握したうえで、「理論上の持分価格の何%になっているのか」「他社と比べて条件に大きな差がないか」を冷静に見比べることが大切です。

 

買取以外の解決方法比較

共有持分の問題は、「自分の持分だけを誰かに買い取ってもらう」以外にも、いくつかの解決ルートがあります。

買取だけに絞ってしまうと選択肢を狭めてしまうため、他の方法も含めて「どれが自分に合っているか」を検討すると、より納得感のある結論を出しやすくなります。

 

代表的な解決方法は、次のように整理できます。

方法 概要 メリット・注意点
共有者全員で一括売却 不動産全体を第三者に売却し、代金を持分割合で分配する方法 全体を「普通の不動産」として売れるため、価格が出やすい。共有者全員の合意が必要で、話し合いに時間がかかることも。
利用方法の見直し 誰が住むか・貸すか・空き家対策をどうするかなどを話し合いで決め直す方法 売却せずに活用を続ける方向。収益の分配方法や管理負担の分け方を明確にしておかないと、後のトラブルにつながることも。
共有物分割請求 協議での分割が難しい場合、裁判所に分割を求める方法 最終的に裁判所の判断で共有関係を解消できるが、時間・費用・精神的負担が大きくなりやすい。
一部持分の買取+残りは協議 一部の共有者が持分を売却し、残った共有者で利用・売却方針を検討する方法 早期に抜けたい人だけ先に現金化できる一方、残った共有者の負担や今後の方針を丁寧に話し合う必要がある。

 

買取以外も含めた方針検討のポイント
  • 「今すぐ現金化したい人」と「将来まで持ち続けたい人」の希望を整理する
  • 一括売却・活用・分割請求など、それぞれの時間・費用・リスクを比較する

 

買取はあくまで選択肢の一つであり、必ずしも最善とは限りません。

共有者それぞれの事情(居住状況・年齢・資金需要など)や不動産の条件を踏まえたうえで、「どの方法が全体としてバランスが良いか」を検討し、必要に応じて不動産会社や弁護士など専門家の意見も取り入れながら判断することが大切です。

 

共有持分買取の手続きと流れ

共有持分を買取してもらう場合も、基本的な流れは通常の不動産売買と似ています。ただし、「物件全体」ではなく「持分だけ」を売るため、最初の権利確認や共有者への説明がより重要になります。

大まかなステップとしては、①権利関係の事前チェック、②査定・条件交渉、③売買契約、④決済・引渡しという流れで進みます。

 

途中で、共有者の一部が反対したり、登記内容と実際の持分が食い違っていることが判明したりすると、さらに調整が必要になることもあります。

焦って契約を急ぐのではなく、事前に書類をそろえ、自分の希望条件と最低ラインを整理してから動き出すと、結果的にスムーズに進みやすくなります。

 

  • 事前準備で「権利関係」と「希望条件」を整理しておく
  • 査定は1社だけでなく、複数から取ると比較しやすい
  • 契約書・登記・税金のポイントは専門家のチェックも視野に入れる

 

権利関係と登記事項の事前チェック

手続きの出発点は、「本当にその共有持分を売れる立場にあるのか」「登記上の情報と現状が合っているか」を確認することです。

特に相続が何度も発生している物件では、「名義は亡くなった親のまま」「相続登記が一部しか終わっていない」といったケースも珍しくありません。

 

【事前に確認しておきたい主な書類】

  • 不動産登記簿謄本(全部事項証明書):所有者名・共有持分割合・抵当権などの有無を確認
  • 公図・地積測量図など:土地の位置や面積の確認に利用
  • 固定資産税納税通知書・課税明細書:評価額や課税地目の確認
  • 本人確認書類・印鑑登録証明書:契約・登記の際に必要
  • 相続関係の場合は、遺言書・遺産分割協議書・戸籍関係書類など

 

確認項目 チェック内容
所有者 登記上の名義人と、実際に売却を希望している人が一致しているか
持分割合 自分の持分が何分のいくつか、全共有者の構成はどうなっているか
権利関係 抵当権・根抵当権・差押えなどの権利が付いていないか
利用状況 誰が住んでいるか、賃貸中か空き家かなど現況の把握

 

事前チェックで押さえたいポイント
  • 「誰の共有持分を売るのか」を戸籍・登記で明確にする
  • 権利関係に問題がある場合は、先に是正手続きが必要になることがある

 

査定依頼から価格合意までの手順

権利関係の整理ができたら、次に不動産会社や共有持分買取業者などに査定を依頼します。ここでは、「不動産全体の価格」と「共有持分としての価格」を分けて考えることがポイントです。

 

【査定・条件交渉の流れ】

  1. 不動産全体の相場を把握する
    一般の不動産会社に依頼し、物件全体の売却相場を簡易査定してもらいます。1社だけでなく、2〜3社程度から見積もりを取ると、極端なブレを把握しやすくなります。
  2. 共有持分としての査定額を提示してもらう
    共有持分買取業者・投資家などには、「自分の持分だけを買い取る場合の金額」を出してもらいます。このとき、不動産全体の想定価格と、持分割合、ディスカウントの理由(リスク要因)をセットで確認すると理解しやすくなります。
  3. 複数社の条件を比較し、希望条件を整理する
    価格だけでなく、手数料の有無、決済までの期間、契約条件(白紙解約条項・違約金など)を比較し、自分が譲れない条件を整理したうえで交渉します。

 

査定段階で確認しておきたいこと
  • 査定の根拠(全体価格・持分割合・割引の理由)が説明できるか
  • 「諸費用を引いた手取り額」がどのくらいになるか

 

売買契約と決済・引渡しの流れ確認

価格・条件に合意したら、次は売買契約・決済・引渡しのステップに進みます。共有持分を売る場合も、基本的な流れは通常の不動産売買と同様です。

 

段階 主な内容 ポイント
契約前 重要事項説明書の交付・内容確認 対象が「共有持分」であること、持分割合、権利関係をよく確認する
売買契約 売買契約書に署名・押印、手付金の授受 契約解除の条件(手付解除・違約解除)、引渡し時期などをチェック
決済・引渡し 残代金の支払い、司法書士による所有権移転登記の申請 残代金と同時に、権利証・実印・印鑑証明書など必要書類を揃える

 

決済当日は、金融機関や司法書士事務所などに売主・買主・仲介会社が集まり、残代金の支払いと登記申請を同時に行うのが一般的です。

共有持分の移転登記も、通常の所有権移転と同様に司法書士が手続きするため、事前に必要書類を漏れなく準備しておくことが重要です。

 

契約・決済でトラブルを避けるコツ
  • 不明点は契約前に質問し、口頭ではなく書面に残してもらう
  • 決済日までに税金・ローン残債などの精算方法を確認しておく

 

共有者や家族への説明ポイント

共有持分の買取では、「自分だけが持分を手放す」ことになるため、他の共有者や家族から理解が得られないと、後々の人間関係に影響することもあります。

特に相続で共有になっているケースでは、「なぜ売りたいのか」「売却後は誰がどう管理するのか」を丁寧に説明することが大切です。

 

  • 売却の理由と、売却しない場合の問題点(維持費負担・相続の複雑化など)
  • 売却後の利用イメージ(誰が住み続けるのか、貸すのか、将来一括売却するのか)
  • 自分が受け取る売却代金と、他の共有者への影響(固定資産税負担の変化など)

 

説明するときに意識したいポイント
  • 「自分の都合」だけでなく、全員にとってのメリット・デメリットも整理して話す
  • 感情的になりやすい場合は、専門家同席の場や書面での説明も検討する

 

家族や共有者への説明は、一度でまとまらないことも多くあります。大切なのは、「きちんと情報を共有し、話し合う姿勢を見せること」です。

どうしても話し合いがまとまらない場合には、買取のほか、共有物分割請求など法的な手段も含めて、弁護士に相談する選択肢もあります。

 

税金・費用とリスクの注意点

共有持分の買取では、受け取った金額だけでなく、譲渡所得税・住民税などの税金や、仲介手数料・司法書士報酬といった諸費用も考慮する必要があります。

不動産の売却益に対しては、原則として「譲渡所得」として所得税・復興特別所得税・住民税が課税され、所有期間や用途によって税率や特例の有無が変わります。

 

また、持分買取の場面では、相場より低い価格で売却した結果、税務上「時価との乖離」が問題になる場合や、買取後に共有者間でトラブルが生じる場合もあります。

税金やリスクを十分に把握したうえで、「手取り額」と「将来の安心感」の両方を見て判断することが大切です。

 

譲渡所得税と住民税の課税ポイント

共有持分を売却して利益(売却額−取得費−譲渡費用)が出た場合、その利益は原則として「譲渡所得」として課税されます。

不動産の譲渡所得は、給与所得などとは分けて計算する「分離課税」となり、所有期間が5年を超えるかどうかで税率区分が異なります(目安として、長期・短期で税率が変わる仕組みになっています)。

計算の基本的な考え方は次のとおりです。

 

  • 譲渡所得= 譲渡価額 −(取得費+譲渡費用) − 各種特別控除
  • 課税される譲渡所得に、所有期間区分ごとの税率(所得税・住民税)がかかる

 

共有持分を先に売却し、その後で残りの持分を含め物件全体を売却した場合などは、どの取引がどの年度・どの区分の譲渡所得になるか整理が必要です。

ケースによって計算や申告方法が変わるため、具体的な税額は、実際の申告前に税務署や税理士への相談を前提に考えるとよいでしょう。

 

税金面で特に注意したいポイント
  • 所有期間の判定は「譲渡した年の1月1日現在」で行われること
  • 取得費・譲渡費用の領収書や契約書は必ず保管しておくこと

 

3000万円特別控除など特例チェック

自分が住んでいたマイホーム(居住用財産)に関する共有持分を売却する場合、一定の条件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の対象となる可能性があります。

この特例は、譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる仕組みで、所有期間の長短にかかわらず利用できる点が特徴です。

ただし、主なポイントとして以下の点に注意が必要です。

 

  • マイホームとして自分や家族が居住していた不動産が対象(投資用・賃貸用のみの物件は原則対象外)
  • 一定の期間内に住まなくなったマイホームの売却でも、条件次第で適用可能な場合がある
  • 住宅ローン控除など他の特例との併用が制限されるケースがある
  • 特例を使うには確定申告が必要で、契約書や住民票などの証明書類も求められる

 

また、被相続人の居住用財産の売却に関する3,000万円控除(いわゆる空き家特例)や、公共事業・区画整理事業に伴う特別控除など、譲渡の状況ごとに複数の特例が設けられています。

適用条件や併用可否はそれぞれ細かく定められているため、自分のケースでどの特例が使えるかは、国税庁の情報や専門家のアドバイスを確認しながら判断する必要があります。

 

特例を検討するときのポイント
  • 「どの特例に該当しうるか」を事前に整理し、条件を一つずつ確認する
  • 複数の特例が重なりそうな場合は、併用可否や適用順序を税務署・税理士に相談する

 

仲介手数料・司法書士報酬など費用目安

共有持分の買取でも、通常の不動産売買と同様に、仲介手数料や登記費用、司法書士報酬などの諸費用が発生します。

買取業者が「仲介ではなく買取」を行う場合、仲介手数料がかからないケースもありますが、その分買取価格が抑えられている可能性もあるため、総額で比較する視点が大切です。

 

  • 仲介手数料(売却側)
    一般に、売買価格が一定額を超える場合の仲介手数料には上限が定められており、「売買価格×所定の割合+一定額+消費税」という形で計算されるのが典型です。共有持分のみの売却でも、仲介形態であればこのルールに沿って手数料が決まるのが通常です。
  • 司法書士報酬・登録免許税
    所有権移転登記の申請を司法書士に依頼する場合、その報酬(数万円台を目安にすることが多いです)と、登録免許税(原則として譲渡価格や固定資産税評価額の一定割合)がかかります。
  • その他の費用
    売買契約書に貼付する印紙税、振込手数料、必要に応じて測量費用や境界確定費用などがかかることもあります。

 

費用面を整理するチェックリスト
  • 仲介か買取かで「手数料の有無・額」がどう変わるか
  • 登記費用・司法書士報酬・印紙税などを合計した「諸費用総額」を把握しているか

 

売却価格だけで判断せず、「税金控除前の売却額 − 税金 − 諸費用 = 実際の手取り額」という視点で比較しておくと、複数の選択肢の中からより納得感のある方法を選びやすくなります。

 

買取後に起こりやすいトラブル事例

共有持分を売却した後も、他の共有者や新しい共有者との関係でトラブルが生じることがあります。

買取業者や投資家が新たな共有者になる場合、従来の家族・親族関係とは異なる利害を持つ相手とやりとりすることになるため、事前に想定しておくことが重要です。

よくあるトラブルの例としては、次のようなものが挙げられます。

 

  • 新しい共有者と残りの共有者との間で、利用方法や修繕負担をめぐる対立が生じる
  • 残っている共有者が「勝手に持分を売られた」と感じ、人間関係が悪化する
  • 買取業者が将来的に共有物分割請求を行い、物件全体の売却や競売を求めてくる可能性がある
  • 想定していたより税金負担が重くなり、確定申告で慌てる

 

トラブルを減らすための事前対策
  • 売却前に、可能な範囲で他の共有者・家族と情報共有し、事後報告にならないようにする
  • 契約内容(今後の利用や明け渡し条件など)をよく読み、疑問点は事前に専門家に確認する

 

不動産の権利関係や税金の扱いは、個別事情によって結論が変わることが多く、「一律にこうなる」とは言い切れません。

共有持分の買取を検討するときは、本記事で整理したポイントをたたき台にしつつ、最終的には税務署・税理士・弁護士・不動産会社などの専門家にも相談しながら、「独断で決めない」姿勢で進めていくことが、後悔を減らすための重要なポイントになります。

 

まとめ

共有持分の買取を検討するときは、感覚だけで決めずに「権利内容」「相場感」「手続き」「税金・費用」を順番に整理することが大切です。

要点としては、①登記簿や持分割合を正確に確認すること、②路線価や固定資産税評価を参考におおよその買取価格の目安を持つこと、③共有者・不動産会社・専門買取業者など売却先ごとの特徴とリスクを比較すること、④契約書や税負担を踏まえて総手取りを把握することが挙げられます。

まずは自分の不動産の状況を書き出し、登記簿・評価額を確認したうえで、必要に応じて司法書士・税理士・不動産会社などに相談し、独断で決めず納得できる形で売却方法を検討していきましょう。