積算評価とは、不動産の価値を算出する方法の一つで、主に建物と土地の価値を別々に評価し、それらを合算して不動産全体の価値を決定する手法です。
この方法は特に、建物が古い、特殊な用途に使用されている、または市場に類似物件が少ない場合に有効とされます。以下は、積算評価の主要な要素と手順です。
- 土地の評価:
- 土地の価値は、主に場所(立地)、面積、形状、地目(宅地、田、畑などの用途)、地勢(平坦、傾斜など)、公共施設へのアクセスなどによって決まります。
- 市場データや公的な土地評価価格を参考にして、土地の価値を算出します。
- 建物の評価:
- 建物の価値は、新築時の建築コストから経年による減価償却を差し引いた価値(時価)で評価されます。
- 建物の種類、構造、築年数、状態、利用状況、改修歴などを考慮します。
- 減価償却の考慮:
- 建物は時間の経過と共に価値が減少するため、減価償却を考慮に入れます。
- 減価償却の計算には、建物の耐用年数や使用状況が影響します。
- 合算:
- 土地の評価額と建物の評価額(減価償却後)を合算して、不動産全体の価値を算出します。
積算評価は特に、新築や改築などで建物の価値が高く、市場比較法(類似の取引事例を比較する方法)で適切な評価が難しい場合に有効です。
また、税務上の評価や保険の目的で用いられることもあります。しかし、市場の需要と供給の状況や、物件の特殊性を反映しづらいという欠点もあるため、他の評価方法と併用することが一般的です。専門的な知識が必要なため、不動産鑑定士などの専門家に依頼することが多いです。