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検査済証なし住宅のローン審査で損しないための7つのチェックポイントと対処法ガイド

検査済証が付いていない住宅を検討すると、「そもそも住宅ローンの対象になるのか」「どの金融機関なら融資に前向きか」「違法建築ではないか」といった不安を抱きやすくなります。

この記事では、検査済証と確認済証の違い、検査済証がないことがローン審査にどう影響するのか、金融機関ごとの考え方の傾向、取り得る対策やリスクの見極め方を順番に整理します。あくまで一般的な考え方・判断軸をまとめたものであり、最終的な結論は物件の内容や個別事情に応じて検討することを前提に読み進めてください。

 

検査済証と住宅ローンの基礎知識

検査済証がない住宅でローンを利用したいときは、まず「検査済証とはどんな書類か」「確認済証とどう違うか」という基本を押さえておくことが出発点になります。

建物は、工事に着手する前と、工事が完了した後の二段階でチェックを受ける仕組みになっており、その段階ごとに交付される書類が異なります。

 

一般的には、建築計画が建築基準法などのルールに沿っているかを事前に確認した証拠が「確認済証」、計画どおりに工事が完了しているかを完成後に確かめた証拠が「検査済証」です。

検査済証があるということは、「少なくとも建築当時の段階では、建築確認どおりに完成している」と公的に確認された建物だという意味合いになります。

 

住宅ローンの審査では、この検査済証の有無が、建物の適法性・安全性を判断するうえでの材料の一つとして見られやすい位置づけです。

ただし、検査済証がないからといって必ず融資不可になるわけではなく、建築年、規模や構造、図面や現況調査など、ほかの情報も含めて総合的に判断されるのが実務上のイメージです。

 

最初に押さえておきたい3つの用語
  • 確認済証:着工前に「計画図面が法令に適合しているか」を確認した証明書
  • 検査済証:完成後に「建物が確認どおりに仕上がっているか」を確認した証明書
  • 住宅ローン:検査済証の有無を、建物の遵法性や担保評価を考えるときの判断材料の一つとして扱う

 

検査済証と確認済証の違いポイント

確認済証と検査済証は似た名前ですが、「どのタイミングで何を確認したのか」が大きく異なります。違いを整理すると、次のようなイメージになります。

 

【確認済証と検査済証の違い】

項目 確認済証 検査済証
交付の時期 工事着工前(建築確認申請の審査完了時) 工事完了後(完了検査に合格した時)
確認している内容 図面上の計画が建築基準法・関係法令に適合しているか 完成した建物が確認済証の内容どおりに施工されているか
役割のイメージ 「この設計で工事を始めてよい」というスタートの許可イメージ 「この建物を使用してよい」という完成のお墨付きイメージ
交付する機関 特定行政庁または指定確認検査機関 同じく特定行政庁または指定確認検査機関

 

確認済証は、あくまで「計画段階の図面がルールに合っているか」を確認したものに過ぎず、その後の工事内容まで保証するものではありません。

もし、途中の工事で無断の増築や設計変更が行われていれば、確認済証があっても現況は法令に適合していない可能性があります。

 

一方で検査済証は、完了検査を受けた時点で「確認済証に基づく計画どおりに工事が完了している」と判断されたことを示すものです。

ただし、検査後に無届けの増改築が行われれば、その後の状態まで検査済証がカバーしてくれるわけではありません。

住宅ローン審査の場面では、「確認済証のみの物件」と「検査済証まで備わっている物件」とでは、後者の方が書面上の信頼性が高いとみなされやすく、金融機関によって評価に差が出るケースもあります。

 

検査済証なし物件が生まれる主な理由

検査済証がないと聞くと「違法建築なのでは」と心配になりがちですが、必ずしもすべてが違法というわけではありません。現場の運用や時代背景などによって、検査済証が付いていない物件は複数のパターンで生じます。

 

【検査済証がない代表的なパターン】

  • 完了検査を申請しておらず、そもそも検査を受けていない
  • 完了検査は受けていたが、検査済証を紛失してしまい手元に残っていない
  • 途中で増築・設計変更を行い、確認済証どおりではないため検査申請を見送った
  • 築年数が古く、当時の運用や書類が整理されておらず、記録の把握が難しい

 

特に、古い戸建て住宅やアパートなどでは、そもそも完了検査を受けていなかったり、建築主や施工会社が書類を保管しておらず紛失してしまっていたりと、結果として「検査済証が確認できない」状態になっているケースは少なくありません。

一方で、確認済証そのものが見当たらない、建築確認を経ていない形跡がある、増築によって大きく図面から外れている、などの事情がある場合は、現行の法令に適合していない「違反建築」の可能性もあります。

 

この場合は、住宅ローン審査が極めて厳しくなったり、是正工事の必要性が問題になったりするおそれもあります。

検査済証がないという事実だけで即座に候補から外すのではなく、「なぜ検査済証がないのか」「どこまで記録が残っているのか」を具体的に確認しておくことが、将来のトラブル回避につながります。

 

特に注意して確認したいケース
  • 確認済証も検査済証もなく、役所にも関連台帳が見当たらないと言われたケース
  • 増築や用途変更を繰り返しており、図面と現況が大きく食い違っているケース
  • 売主が建築当時の状況や工事履歴をほとんど説明できないケース

 

検査済証なしが住宅ローンに与える影響

検査済証のない住宅は、金融機関から見ると「法令違反のおそれがある担保物件」として警戒されやすく、住宅ローン審査ではマイナス要因として扱われるのが一般的です。

建物が法令に沿っているか不明瞭だと、将来の資産価値や担保としての処分可能性に不安が残るためです。

 

ざっくりとした傾向は、次のように整理できます。

金融機関のタイプ 検査済証へのスタンス 想定される影響
メガバンク等 新築・築浅では検査済証の提出を原則条件とすることが多い 検査済証がない物件は原則対象外、または例外的な個別審査扱いになりやすい
地方銀行・信金 地域の実情を踏まえ、築年数などに応じて個別判断することが多い 検査済証がなくても、台帳記載事項証明や現地調査を踏まえて可否を検討する場合がある
フラット35等 技術基準に基づく検査が前提で、書類の整備を重視する 検査済証がない場合、別途の検査や適合証明が必要となり、利用できないケースもある

 

また、検査済証がないことにより、次のような影響が出ることも想定されます。

 

  • 利用できる金融機関の選択肢が減り、審査の門戸が狭くなる
  • 自己資金(頭金)の割合を多めに求められる場合がある
  • 将来売却時に、買主側のローンが付きにくく、売却価格や売却期間に影響する

 

ただし、築年数の古い木造住宅などでは、「検査済証がない物件が一定数存在する」という前提で融資判断している金融機関もあります。

「検査済証がない=ローンが絶対に無理」という画一的な話ではなく、「どの金融機関がどの条件なら検討してくれるのか」「代替となる資料や調査でどこまで補えるか」を整理することが重要です。

 

金融機関ごとの審査傾向とチェックポイント

検査済証がない住宅でローンを組めるかどうかは、「どの金融機関を選ぶか」によって結果が変わりやすい分野です。

同じ物件でも、ある銀行では審査不可でも、別の金融機関では条件付きで承認されるといったことが現実に起こります。

 

したがって、「検査済証がない=すべてのローンがだめ」と決めつけるのではなく、金融機関ごとの考え方の違いを理解したうえで、事前相談や比較検討を進めていくことが大切です。

ここでは、①銀行・信金など一般的な住宅ローン、②フラット35など公的色の強い商品、③地方銀行やノンバンク系ローン、という大きな3つのグループに分けて、審査傾向とチェックポイントを整理します。

 

金融機関が注目している主なポイント
  • 建物の適法性(建築確認・検査の状況、図面との一致など)
  • 担保としての将来性(市場性・売却のしやすさ)
  • 商品性(公的ローンか独自商品か)による基準の厳しさ

 

銀行・信用金庫の一般的な審査方針

メガバンクや都市銀行、多くの地方銀行・信用金庫が取り扱う住宅ローンは、「建築確認を受けた適法な建物」であることを前提に設計されています。

特に新築や築浅の住宅では、建築確認済証と検査済証の両方を提出条件としている商品が多く、検査済証がない場合、申込時点で対象外とされるか、かなり厳しい個別判断になる傾向があります。

一方、中古住宅については、地域や築年数によって「検査済証がない物件が一定割合存在する」と理解している金融機関もあり、その場合は次のような要素を総合的に見て判断することが多くなります。

 

確認されやすい項目 具体的な内容 チェックのポイント
建物の基本情報 築年数・構造・階数・増改築の履歴など 旧耐震か新耐震か、木造かRCか、無許可増築がないかなど
法令との関係 用途地域・建ぺい率・容積率などとの整合性 容積率オーバーや用途違反の有無、既存不適格の可能性
補完資料 検査済証の代わりに提出できる記録・図面 確認済証、台帳記載事項証明、建築関係図書など

 

【銀行・信金に申し込む前に確認したいこと】

  • 新築・築浅であれば、検査済証の有無がより重く見られることを前提に考える
  • 中古住宅では、検査済証がない理由と、代わりに提示できる書類を事前に整理する
  • 複数の金融機関に事前相談を行い、「検査済証のない物件をどう扱っているか」を率直に確認する

 

金融機関にとって重要なのは、「担保として問題のない物件かどうか」です。検査済証がなくても、建物の状態や法令との関係を説明できる資料が揃っていれば、審査の土台に乗る可能性は高まりやすくなります。

 

フラット35など公的ローンの条件比較

フラット35のような長期固定金利型ローンは、民間金融機関が窓口となりつつも、公的な技術基準に基づいて審査が行われる仕組みになっています。

そのため、一般の銀行ローン以上に「建物の適法性や性能」に関する要件が明確で、検査済証の有無がそのまま利用可否に影響しやすい特徴があります。

フラット35を例にすると、主に次のような点が確認されます。

 

  • 建築基準法等に適合している住宅であるか(建築確認・完了検査など)
  • 構造・耐久性・耐震性などが所定の技術基準を満たしているか
  • 中古住宅の場合は、登録検査機関等による技術基準への適合確認が行われるか

 

検査済証がないケースでは、

 

  • 原則として対象外になる
  • または、別途の技術審査や適合証明を取得することを条件に検討される

 

といった扱いとなることが多いです。

 

【フラット35等と一般的な銀行ローンの比較イメージ】

項目 フラット35等 一般の銀行ローン
金利タイプ 基本的に長期固定 変動・固定・ミックスなど複数から選択
建物の要件 技術基準が明確で、検査・証明書の提出が前提 基準はあるが、金融機関ごとの裁量による部分も多い
検査済証なし物件 厳しい扱いになりやすく、追加検査が必要になることが多い 代替資料や現況調査を踏まえて個別判断される余地がある

 

検査済証がない物件でフラット35などを利用したい場合は、「追加検査や証明書の取得を含めてどこまで準備できるか」を金融機関や適合証明機関と相談しながら見極める必要があります。

 

地方銀行やノンバンクの対応事例の目安

地方銀行や一部の信用金庫の中には、地域特性を踏まえて「検査済証がない中古住宅でも、状況に応じて融資している」と公表しているところもあります。

また、ノンバンク系(住宅ローン専門会社や信販会社など)のローン商品には、一般の銀行よりも建物条件に柔軟なものも見受けられます。

もっとも、「柔軟=何でも融資する」という意味ではなく、次のような観点から担保として問題がないかをしっかり確認している点は共通です。

 

  • 現地調査による建物の状態(傾き・雨漏り・ひび割れなど)の確認
  • 無許可増築や用途違反など、明らかな違法性がないかどうか
  • エリアとして将来の売却や賃貸の需要が見込めるかどうか
  • 借入希望者の返済能力や自己資金の割合

 

【地方銀行・ノンバンクを検討する際の目安】

種別 特徴のイメージ 検査済証なし物件へのスタンス
地方銀行 地域密着で、中古・古家付き土地の扱いにも慣れている 築年や地域事情に応じて、検査済証がなくても代替資料や現況を見て判断することがある
信用金庫・信用組合 地元顧客との関係性を重視し、相談ベースで柔軟に検討するケースがある 担保評価と返済能力を見ながら、条件付きで融資する例も見られる
ノンバンク系 金利はやや高めだが、商品ラインナップに幅がある 担保価値や返済能力次第で、検査済証がない物件も対象にしている商品がある

 

相談先を広げるときのポイント
  • 「検査済証のない物件への融資実績があるか」を事前相談で聞いてみる
  • 金利だけでなく、保証料や手数料、繰上返済条件などトータルコストで比較する
  • ノンバンクを利用する場合でも、将来銀行ローンへの借り換えが可能かイメージしておく

 

検査済証がない物件でローンを組む対策

検査済証がない物件で住宅ローンを利用したい場合、「書類がないから諦める」のではなく、建物の状況をできるだけ客観的に示せるよう準備しておくことが重要です。ポイントは、次の3つです。

 

  • 建物が建築基準法などのルールにどの程度沿って建てられているか
  • 既存不適格なのか、違反建築に近いのかといった位置づけ
  • 安全性・耐震性について第三者の目で確認された資料をどこまで揃えられるか

 

役所や検査機関で取得できる情報、既存不適格と違反建築の違い、耐震関連の証明書などを組み合わせることで、「検査済証はないが、一定程度の根拠をもって評価できる物件」であることを金融機関に伝えやすくなります。

 

役所や検査機関で確認できる書類チェック

検査済証の原本が手元にない場合でも、役所や指定確認検査機関に記録が残っていることがあります。最初に行うべきなのは、「建築確認を受けた履歴や完了検査の記録があるかどうか」を確認することです。

 

【役所・検査機関で確認を検討したい主な資料】

書類の種類 確認できるポイント
建築確認台帳記載事項証明書など 建築確認番号、建築主、用途、構造、規模、確認年月日などが分かり、計画段階で法令に適合していたかの手がかりになる
完了検査に関する記録 完了検査を受けていれば、検査日や合否が残っていることがあり、検査済証を紛失した場合の代替材料になり得る
確認済証や図面の写し 当時の設計内容や法令条件を把握でき、現況との比較・説明に活用できる

 

【書類を探すときのおおまかな流れ】

  1. 物件を管轄する市区町村などの建築担当窓口に、建築確認台帳の閲覧方法を問い合わせる
  2. 指定確認検査機関が関与している場合は、その機関に記録の有無を照会する
  3. 売主や施工会社にも、設計図書や確認申請書類が残っていないか確認する

 

最低限そろえておきたい基本書類
  • 建物・土地の登記事項証明書
  • 建築確認番号および確認年月日が分かる資料
  • 可能であれば、建築確認台帳の記載事項証明書や確認済証の写し

 

こうした資料は、ローン審査に限らず、将来の増改築・売却時の説明にも役立つため、可能な範囲でまとめておくと安心です。

 

既存不適格と違法建築の違いのポイント

検査済証がない物件を評価するときに欠かせないのが、「既存不適格」と「違法建築(違反建築)」の違いです。

 

  • 既存不適格建築物:建築時点では法令に適合していたが、その後の法改正や用途地域の変更などにより、現在の基準では適合していない状態になっている建物
  • 違法建築(違反建築):建築当初から建築基準法等に適合していない、または増築・用途変更などによって違反状態になっている建物

 

既存不適格の場合、「当時の法律のもとでは正しい手続きで建てられた」という点が評価されやすく、現況利用は認められつつ、増改築や建て替え時に現行基準へ近づけていく、という取り扱いが想定されます。

これに対して違法建築は、建築確認を経ていない、確認どおりに建てられていない、容積率や用途制限を超えているなど、現在も法令に適合していない状態であるため、是正や制限が問題になりやすい区分です。

 

既存不適格と違法建築を見分けるときの視点
  • 建築年と、その時期の法令・用途地域の状況を確認する
  • 増改築の有無や図面と現況の差がないかをチェックする
  • 法令違反が疑われる場合、ローン審査が厳しくなるだけでなく、将来の建て替え・売却にも大きな制約が生じる可能性がある

 

金融機関も、「既存不適格であること」と「違法建築であること」を明確に区別して判断しようとするため、検査済証がなくても、どちらに近い性格なのかを説明できるかどうかが重要になります。

 

耐震基準適合証明や適合調査の活用方法

検査済証がない物件でも、別の形で建物の安全性や性能を証明することで、ローン審査や税制優遇の利用につなげられることがあります。その代表例が、耐震基準適合証明書や住宅ローン用の適合証明書などです。

 

【主な証明書・調査とポイント】

書類・制度 概要 主な活用場面
耐震基準適合証明書 現行の耐震基準に適合していることを建築士等が診断・証明する書類 旧耐震の中古住宅で、住宅ローン控除や登録免許税・不動産取得税の軽減などを受けたい場合
住宅ローン適合証明(フラット35等) フラット35などが定める技術基準を満たしていることを示す証明書 フラット35で中古住宅を購入するときの前提条件として
耐震診断報告書 建物の耐震性を診断し、補強が必要かどうか、どの程度の工事が望ましいかを示した報告書 ローン審査の参考資料、改修計画の立案、将来のリスク把握に活用

 

【活用までのおおまかな流れ】

  1. 築年数や構造(旧耐震・新耐震、木造・RCなど)から、耐震性のリスクをおおまかに把握する
  2. 必要に応じて、建築士等に耐震診断・現況調査を依頼する
  3. 診断結果を踏まえ、耐震基準適合証明書の取得や補強工事の実施を検討する
  4. 取得した証明書や報告書を、ローン申込や税制優遇の申請時に提出する

 

耐震・適合に関する書類を検討したい場面
  • 検査済証がなく、建物の安全性に不安がある場合
  • フラット35や住宅ローン控除など、技術基準を前提とした制度を利用したい場合
  • 将来の売却・賃貸時に「安全性の裏付け」を示しておきたい場合

 

費用や手間はかかりますが、「検査済証がない」という情報不足を補い、建物の価値と安心材料を客観的に示せる点では大きなメリットがあります。

 

購入前に確認したいリスクと判断ポイント

検査済証がない物件を購入するかどうかは、「ローンが組めるかどうか」だけでなく、「購入後に困らないかどうか」を含めて判断する必要があります。具体的には、次のようなリスクが代表的です。

 

  • 建築基準法違反など、法令上のリスクが潜んでいないか
  • 構造・耐震性・老朽化など、安全面のリスクがどの程度あるか
  • 住宅ローン・借り換えが難しくなることで、資金計画に制約が出ないか
  • 将来の売却時に、買主側のローンが付きにくく、出口戦略が取りづらくならないか
  • 是正工事や補強工事が必要になった場合の追加コストが大きくならないか

 

あらかじめチェック項目として整理しておくことで、仲介会社や金融機関に質問すべき内容が具体的になります。

「ローンさえ通ればよい」ではなく、「ローンが通ったとして本当に購入に踏み切るべき物件か」という視点で検討することが重要です。

 

購入前に押さえておきたい主なリスク
  • 法令違反や違反の可能性がある場合の是正費用・手続きリスク
  • ローン・借り換え・将来の融資が制限されるリスク
  • 売却・賃貸など出口戦略が取りづらくなるリスク

 

仲介会社に事前に聞いておきたい事項

検査済証がない物件では、まず仲介会社を通じて得られる情報をできるだけ詳しく確認しておくことが大切です。

「検査済証はありません」とだけ言われて終わらせず、その背景や代わりに得られた情報まで含めて質問しましょう。

 

【仲介会社に確認しておきたい主な項目】

項目 具体的な質問内容
建築確認・検査 建築確認番号・確認年月日/完了検査を受けているか/役所や検査機関で台帳・記録が確認できたか
増改築の履歴 増築・用途変更の有無/いつ・どの部分を工事したのか/図面との相違はないか
行政からの指摘 これまでに是正指導や違反是正の指摘を受けた経緯がないか
ローン実績 過去に同じ物件や同じエリアで、検査済証なしの物件に対してローンが付いた事例があるか

 

仲介会社への質問で意識したいこと
  • 「検査済証がない理由」を、可能な限り具体的なストーリーとして説明してもらう
  • 図面・建築確認書類・役所での調査結果など、根拠となる資料を見せてもらう
  • ローンが付きにくいことや将来の売却への影響についても、あいまいにせず確認する

 

事前審査で伝えるべき情報と注意点

検査済証がない物件で住宅ローンの審査を受ける際、「不利な情報を隠した方がよいのでは」と考える方もいますが、金融機関に対して事実を伏せるのは逆効果です。

事前審査の段階で、わかっている情報を正直に伝え、あわせて資料を提出する方が、結果的にはスムーズに判断してもらいやすくなります。

 

【事前審査の際に伝えておきたい内容の例】

  • 検査済証が手元にない事実と、その理由(紛失・未取得・古い建物など)
  • 建築確認番号・確認年月日・構造・階数などの基本情報
  • 役所や検査機関で確認できた台帳記録や、確認済証の写しの有無
  • 増改築の履歴や、既存不適格の可能性の有無がわかっている範囲の情報

 

事前審査での注意ポイント
  • 検査済証がないことを隠したり、あるように装ったりするのは絶対に避ける
  • 不明な点は「現時点では不明」としたうえで、分かる範囲の資料をまとめて提出する
  • 物件条件に不安がある場合、借入額や返済比率をやや控えめに設定して相談するのも一案

 

事前審査の結果が思わしくない場合も、「何がネックになったのか」「どの条件なら検討の余地があるのか」を確認しておけば、ほかの金融機関への相談や物件選びの見直しに生かせます。

 

ローンが難しいときの代替策の検討ポイント

検査済証がない物件について複数の金融機関に相談しても、結果的に「融資は難しい」という回答になることもあります。

その場合、「どうしてもこの物件をローンで買う」ことに固執しすぎると、家計や将来の選択肢に無理が出る可能性があります。

 

【ローンが難しいときに検討したい代替策】

  • 物件の見直し:検査済証のある物件や、ローン審査に乗りやすい築年数・構造の物件を候補に含める
  • 資金計画の見直し:自己資金を増やす、借入額を抑える、当面は賃貸に住みながら貯蓄を優先する
  • 利用目的の転換:将来の建替えを前提に「古家付き土地」として検討する(建替え可能性の確認が必須)
  • 購入タイミングの変更:収入や貯蓄が安定してから再度検討する

 

代替策を考えるときの考え方
  • 「この物件にこだわるか」ではなく、「自分たちの暮らし全体として無理がないか」を基準に検討する
  • ローンが付かなかったことをきっかけに、物件選びやライフプランを見直すのも一つの選択肢と考える
  • 購入後の修繕費・税金・教育費なども含めた長期の資金計画をシミュレーションしてみる

 

売主・所有者として準備しておきたい対応

検査済証がない住宅を所有している立場から見ると、「将来売却したい」「相続のとき家族が困らないようにしておきたい」というニーズも出てきます。その際は、買主や金融機関から見て「できる限り状況が分かる状態」にしておくことが重要です。

検査済証を紛失している場合に取り寄せ可能な資料、売却時に伝えておくべき情報、価格設定の考え方、将来の増改築・建替えにどのような影響があるのかなどを整理しておくと、売却時の交渉や説明がスムーズになります。

 

検査済証紛失時の再発行・代替資料の取り寄せ方

検査済証を紛失してしまった場合でも、建築確認や完了検査の記録が役所や検査機関に残っていることは多くあります。

まずは「どこに問い合わせればよいか」「どの程度の情報が取得できそうか」を把握するところから始めます。

 

【問い合わせ先の目安】

建築時の状況 問い合わせ先の例
役所で建築確認を受けた 物件所在地を管轄する市区町村・都道府県の建築指導課など
指定確認検査機関で確認を受けた 確認済証に記載されている指定確認検査機関
確認機関が不明 登記事項証明書や古い図面を持参し、役所窓口で照会してもらう

 

【検討したい主な資料】

  • 建築確認台帳記載事項証明書など、確認内容の概要が分かる書類
  • 完了検査を受けている場合は、その記録の写し
  • 確認済証・検査済証の写し(原本の再発行はできなくても、写しで対応してくれる自治体もある)

 

売却前にまとめておきたい基本資料
  • 建物・土地の登記事項証明書と公図
  • 建築確認番号・確認年月日がわかる書類
  • 役所や検査機関で取得した台帳記録や証明書の写し

 

こうした資料を事前にまとめておくことで、「検査済証はないが、建築確認や完了検査に関する一定の根拠は示せる」という状態になり、買主・金融機関の安心感を高めやすくなります。

 

売却時の告知内容と価格設定の考え方

検査済証がない物件を売却する際は、売主側が把握している情報を正確に伝えることがとても重要です。

検査済証の有無や建築確認の状況は、買主にとって購入判断に直結する情報であり、告知義務の対象にもなり得ます。

 

【売主として事前に整理しておきたい告知内容】

  • 検査済証が手元にない事実と、その経緯(紛失・未取得・古い建物など)
  • 役所や検査機関で確認できた情報(確認番号、検査記録の有無など)
  • 増改築・用途変更を行った場合の時期と内容
  • 過去に行政から指導・是正勧告を受けたことがあるかどうか

 

価格設定については、検査済証がある物件と比べると、ローンの付きやすさや将来の売却リスクを踏まえた「調整」が必要になることが一般的です。

 

【価格を検討するときの比較イメージ】

観点 検査済証がある物件 検査済証がない物件
ローンの付きやすさ 多くの金融機関で審査対象となりやすい 金融機関が限定され、審査も慎重になりやすい
将来の売却 次の買主のローンも比較的組みやすい 次の売却時にも、同様の説明と調整が必要になることが多い
価格の目安 周辺相場に近い水準での成約が期待しやすい 相場を踏まえつつ、一定のディスカウントを検討せざるを得ない場合が多い

 

価格設定で意識したいポイント
  • 検査済証がないことによるローンハードルを、どの程度価格に織り込むかを検討する
  • 耐震診断やリフォーム実施など、プラス材料があればその内容もアピールする
  • 「価格を優先するのか」「売却までのスピードを優先するのか」を仲介会社と共有しておく

 

将来の増改築や建替えを見据えたリスク管理ポイント

検査済証がない物件を今すぐ売る予定がなくても、所有者として「増改築や建替えをしたくなったときに何が障害になり得るか」を把握しておくことは、リスク管理の面で重要です。

 

【増改築・建替えで確認しておきたい主なポイント】

  • 現在の建物が、建ぺい率・容積率・斜線制限などにどの程度適合しているか
  • 既存不適格の場合、建替え時には現行基準に合わせた規模に抑える必要が出てくる可能性がある
  • 違法な増築部分がある場合、その部分の是正や解体を前提に計画を組む必要がある

 

【所有者として整理しておくと良い項目】

項目 確認したい内容 ヒント
法令状況 用途地域、建ぺい率、容積率、防火地域の指定など 都市計画図や役所の窓口で確認できることが多い
建物規模 登記上の床面積、実測の延べ床面積、増築部の有無 図面・登記・現況を比較し、差があれば理由を把握しておく
将来の方針 建替えの可能性・時期のイメージ・相続時の扱い 家族のライフプランや相続の考え方とあわせて話し合っておく

 

リスク管理のためにできる準備
  • 建築確認書類・図面・役所で取得した資料を一つのファイルに整理して保管する
  • 耐震診断や簡易な建物点検を実施し、老朽化の程度と補修の優先度を把握しておく
  • 検査済証がないことや法令状況も含めて、将来の相続人と情報共有しておく

 

まとめ

検査済証がない住宅で住宅ローンを検討する場合は、次のような順番で整理していくと全体像をつかみやすくなります。

 

  • 検査済証・確認済証など建築確認関連の基本的な仕組みを理解する
  • 銀行・信金・フラット35・ノンバンクなど、金融機関ごとの審査方針の違いを把握する
  • 役所や検査機関で取得できる資料、耐震関連の証明書や診断結果を集め、建物の適法性・安全性を確認する
  • ローンの可否だけでなく、将来の売却・建替え・相続まで含めたリスクと代替案(別物件の検討、自己資金の見直しなど)を比較する
  • 売主・所有者の立場であれば、検査済証の有無や法令状況を整理し、将来の売却や相続を見据えた情報整備をしておく

 

そのうえで、自分や家族の収入・支出・ライフプランを書き出し、「ローンが通るかどうか」だけでなく、「通ったうえで本当に無理のない選択かどうか」を冷静に検討することが大切です。

判断に迷う場面では、金融機関・不動産会社・建築士・税理士など、それぞれの専門家の意見も参考にしながら、納得できる形で結論を出していくようにしましょう。