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不動産投資を利回りから逆算!実質利回りで購入額・売却価格を迷わず決める5つのポイント

不動産投資で「利回りから逆算」と検索しても、表面利回りだけで判断してしまい、購入後に手残りが伸びないケースは少なくありません。

本記事では、表面利回りと実質利回りの違いを整理したうえで、目標キャッシュフローから購入価格を逆算する方法と、年間純収益(NOI)と市場利回りから売却価格を逆算する考え方をまとめます。前提条件の置き方や見落としやすい費用も整理するので、判断軸が明確になります。個別の条件で結論が変わるため、最終判断は専門家への相談が有効です。

 

利回りから逆算の基本

「不動産投資 利回りから逆算」は、欲しい収益や出口価格から逆に条件を固める考え方です。高利回り物件を探す発想と違い、先に「手残り(キャッシュフロー)」「許容できるリスク」「売却までの筋道」を決め、そこから購入価格・家賃・経費・融資条件を組み立てます。

逆算のコツは、利回りの種類を混同しないことと、前提条件を“同じ物差し”でそろえることです。表面利回りだけで逆算すると、管理費・修繕・空室・税などを落としやすく、実態の手残りがズレます。まずは「どの利回りで、何を逆算するのか」を整理し、購入と売却の両方で使える計算枠を作ると判断が安定します。

 

逆算で最初に決める前提(投資家側)
  • 毎月の手残り目標(円/月)と、空室が出た時の許容赤字(円/月)
  • 保有期間の目安(年)と、売却の想定パターン(満室売り/空室を含む等)
  • 融資の方向性(自己資金(万円)・金利(%)・返済期間(年))
  • 経費の見込み(管理費、修繕、募集費、税、保険など)

 

表面利回りと実質利回りの違い比較

表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100(%)」で、比較が簡単ですが、実際に手元に残るお金を直接示しません。

実質利回りは、年間家賃収入から運営費を差し引き、購入時の諸費用も含めた投資総額で割る考え方で、現実に近い判断がしやすい一方、前提の置き方で数字が大きく動きます。逆算で重要なのは、表面利回りを「入り口の目安」として使い、最終判断は実質利回りやキャッシュフローで確認することです。

 

また、物件情報に表示される利回りは、空室ゼロ・修繕ゼロなど“都合の良い前提”になりやすい点に注意が必要です。逆算をするなら、必ず「空室」「原状回復」「募集費」「修繕積立の考え方」を入れ、同じ前提で複数物件を比較します。

項目 表面利回り 実質利回り
主な目的 物件を素早く並べる 投資の実態に近づける
計算に入れるもの 家賃収入と物件価格 家賃収入、運営費、初期費用、空室等
落とし穴 経費・空室が消える 前提の置き方で差が出る

 

逆算に使う収益の定義ポイント

「収益」をどれにするかで、逆算の式が変わります。売却価格の逆算でよく使うのは、家賃収入から運営費を引いた「年間純収益(NOI)」です。

一方、購入判断では、NOIから借入返済を引いた「税引前キャッシュフロー」や、さらに税の影響を考慮した「税引後の手残り」を見たい場面もあります。

 

税は個別性が高いため断定は避けますが、逆算の基本は「段階を分けて確認する」ことです。つまり、入口はNOIで収益力を測り、次に融資条件を入れてキャッシュフローを確認し、最後に税・修繕・空室のブレまで織り込んで“耐久性”を点検します。

売却と購入で定義が混ざると、利回りの数字だけが独り歩きしやすいので、用語を固定して進めるのがコツです。

 

収益の言葉をそろえる(例)
  • 年間総収入:家賃・共益費・駐車場などの合計(円/年)
  • 運営費:管理費、修繕、募集費、保険、税など(円/年)
  • NOI:年間総収入 − 運営費(円/年)
  • キャッシュフロー:NOI − 年間返済額(円/年)

 

前提条件の置き方目安

逆算の精度は、前提の置き方で決まります。ポイントは「保守的すぎて買えない」「楽観的すぎて破綻する」の両極端を避け、意思決定に使える“現実ライン”を持つことです。数値は断定ではなく目安でよいので、前提を文章で固定して、比較ごとにぶれないようにします。

例えば空室は「年間で何%(%)の空室率を見込む」と決め、原状回復は「退去1回あたり◯万円、年に◯回」と置きます。管理委託は家賃の◯%ではなく「管理委託費(円/月)」にしても構いません。重要なのは、物件間で前提を統一し、数字の比較に意味を持たせることです。

 

【前提を固定するチェックリスト】

  • 空室率(%)と、空室が出る季節の偏りをどう扱うか
  • 募集費(広告費・仲介手数料相当)を年平均でどう置くか
  • 修繕費を「年額(円)」で積むか「周期」で積むか
  • 家賃下落を織り込むか(据え置きにするか)

 

購入額を決める逆算手順

購入の逆算は、目標キャッシュフローから「許容できる購入価格」を決める作業です。家賃が先、物件価格が先、というより、手残りの目標と安全マージンを先に置き、そこから家賃・空室・経費・返済を積み上げていきます。

逆算の手順を持つと、相場より高い家賃を前提にしてしまう、修繕や募集費を忘れる、金利上昇の耐性がない、といった失敗が減ります。ここでは、実務で使いやすい「目標→収入→運営→返済→購入総額」の順で整理します。

 

目標キャッシュフローの置き方チェック

目標キャッシュフローは「理想」だけでなく「下振れ耐性」をセットにすると実用的です。例えば「平常時は月◯万円残したい」だけだと、空室や修繕で一気に赤字化して慌てやすくなります。

そこで「空室が出ても月▲◯円までは耐えられる」「年間で赤字が◯万円以内なら継続できる」といった“守り”も決めます。

 

また、目標は物件1件で達成する必要はありません。分散投資なら1件あたりの目標を下げ、空室耐性を上げる設計も可能です。逆算は「続けられる投資」を作る道具なので、数字は背伸びより、継続できる現実ラインで置く方が成果につながります。

目標の置き方(例:前提の書き方)
  • 目標:税引前キャッシュフロー 30,000円/月(360,000円/年)
  • 下限:空室や修繕があっても −10,000円/月まで
  • 予備費:年間で100,000円は別口座に積立

 

家賃と空室率の見積り注意点

家賃を逆算に使うときは、まず「取れる家賃」ではなく「取れ続ける家賃」を見ます。

募集賃料だけで置くと、実際の成約賃料やフリーレント、更新時の調整が抜け落ちやすいです。相場はエリア・築年・設備で変わるため、ここでは数値の断定はせず、見積りの作法を整理します。

 

空室率は「年に何日空室になるか」に置き換えると現実的です。例えば空室率5%は、年間365日のうち約18日(365×0.05)空室があるイメージです。

入退去が多い物件ほど空室日数が伸びるため、ターゲット(単身・ファミリー)や物件タイプによって前提を変える必要があります。前提を固定したら、比較物件すべてに同じ空室率(%)を入れて、価格差や立地差がどれだけ影響するかを見ます。

見積り対象 置き方のコツ
家賃 募集賃料だけでなく、近い条件の成約レンジを意識して保守的に置きます。
空室 空室率(%)を日数換算し、入退去頻度が高い前提なら上振れ余地を残します。
賃料下落 据え置きでも良いですが、長期保有なら将来調整の余白を見ます。

 

ローン返済を入れた試算手順

利回りが良く見える物件でも、返済条件次第でキャッシュフローは変わります。逆算では「金利(%)」「返済期間(年)」「借入額(万円)」を固定し、返済後の手残りで判断します。

返済方式(元利均等・元金均等)でも毎月の出方が変わるため、まずは金融機関の返済予定表や簡易試算を使い、年間返済額(円/年)で比較すると分かりやすいです。

 

金利上昇リスクがある場合は、現行金利だけでなく、上昇時の金利(%)も置いて二段階でチェックします。上昇幅は個別性が高いので断定しませんが、最低でも「現行」と「上昇」の2パターンで月次が崩れないかを見ると、投資の耐久性が上がります。

  1. 自己資金(万円)と借入予定額(万円)を仮置きします。
  2. 金利(%)と返済期間(年)を置き、年間返済額(円/年)を出します。
  3. NOIから年間返済額を引き、税引前キャッシュフロー(円/年)を出します。
  4. 空室や修繕の上振れを入れ、下限の月次が耐えられるかを確認します。

 

返済で見落としやすい注意点
  • 家賃は下がる可能性がある一方、返済は固定で出続けます。
  • 空室が出ても返済は止まらないため、月次の耐性が重要です。
  • 金利・期間・借入額のどれを動かすかで解決策が変わります。

 

購入時の諸費用を含める目安

逆算の最終段階で抜けやすいのが「購入時の諸費用」です。諸費用は物件価格とは別に必要になり、実質利回りを下げます。

項目には仲介手数料、登記関連費用、ローン関係費用、火災保険料などが含まれますが、金額は取引条件で変わるため、ここでは「項目を落とさない」ことを重視します。

 

実務では、諸費用を物件価格の一定割合(%)でまとめて置く方法もありますが、正確にやるなら、項目ごとに見積りを取って合算します。

逆算では、購入価格を下げるだけでなく「初期費用込みで投資総額が許容範囲か」を判断する視点が重要です。自己資金(万円)のうち、頭金に回せる額と、諸費用に消える額を分けて考えると、資金計画が崩れにくくなります。

 

費用区分 逆算での扱い方
取得関連 仲介手数料、登記費用など。見積りが取りやすいものから確定します。
融資関連 融資手数料、保証料等。金融機関で差が出るため早めに確認します。
保険関連 火災保険・地震保険等。補償内容で変わるため、必要補償から逆算します。

 

売却価格を決める逆算の考え方

売却価格の逆算は、投資物件では特に重要です。理由は、買主が「その物件の収益」を基準に価格を判断しやすいからです。

ここで使われる考え方が、純収益(NOI)と市場利回り(キャップレート)から価格を導く収益還元の発想です。式はシンプルで「売却価格(円)= NOI(円/年) ÷ 市場利回り(%)」ですが、NOIの作り方や、市場利回りの集め方で結果が大きく変わります。逆算では、価格を一点で決めるより、前提を変えてレンジ(幅)で持つことが現実的です。

 

年間純収益(NOI)の作り方ポイント

NOIは「その物件が生む収益力」を示す数字で、売却の逆算の土台になります。作り方のポイントは、収入と経費を“毎年発生するもの”として整理することです。

例えば、家賃・共益費・駐車場収入などを年間総収入にし、そこから管理委託費、共用部費用、保険料、固定資産税等、募集費の平均化、軽微な修繕などを差し引きます。

 

注意点は、借入返済(元本・利息)はNOIに入れないことです。返済は投資家の資金調達条件で変わるため、物件の収益力を測るNOIとは分けます。

また、大きな改修が近い場合は、年平均で修繕費を積むなど、将来支出を“均して”入れると、買主目線に近づきます。

NOIを作るときの整理ポイント
  • 収入:家賃・共益費・駐車場などを年間化(円/年)
  • 運営費:毎年の経費を入れる(税・保険・管理・募集・軽微修繕)
  • 借入返済は入れない(NOIとキャッシュフローを分ける)

 

市場利回りの集め方手順

市場利回りは「同種・同エリアの投資家が求める利回り」の目安で、これが分からないと売却価格の逆算が成り立ちません。ここで重要なのは、単一の情報源で断定しないことです。

募集情報(売り出し利回り)は“希望”が混じりやすく、成約水準とはズレることがあります。したがって、複数ソースでレンジを作り、保守的に置くのが安全です。

 

実務では、不動産会社の査定資料、投資用ポータルの類似物件の表示利回り、同エリアのレポートなどを突き合わせ、築年・規模・駅距離・用途が近いものに絞って比較します。データが揃わない場合は、レンジを広めに取り、価格を一点で決めない形にします。

  1. 物件と似た条件(エリア、築年、構造、規模、用途)を定義します。
  2. 投資用の売り出し情報から、表示利回りの分布を集めます(複数件)。
  3. 不動産会社の査定や周辺の取引情報が取れるなら照合します。
  4. 高すぎる・低すぎる外れ値を除き、レンジ(%)で市場利回りを置きます。

 

計算例で価格レンジを出す目安

ここでは「市場平均」ではなく、あくまで計算方法が分かる想定例で示します(前提:2026年1月時点の試算例として作成)。

想定として、年間総収入が1,200,000円/年、運営費が300,000円/年なら、NOIは900,000円/年です。市場利回りを6.0%、7.0%、8.0%のレンジで置くと、売却価格はそれぞれ「900,000 ÷ 0.06=15,000,000円」「900,000 ÷ 0.07≒12,857,000円」「900,000 ÷ 0.08=11,250,000円」となります。

 

このように、利回りが1%(ポイント)変わるだけで価格が大きく動くため、レンジで持つことが重要です。

さらに、満室想定か、空室を織り込むかでNOI自体も変わります。売却価格を一発で決めるより、「NOIをどう見せるか」「利回りレンジをどう置くか」をセットで考えると、交渉の根拠が作りやすくなります。

 

前提 数値(想定例) 補足
年間総収入 1,200,000円/年 家賃・共益費等の合計
運営費 300,000円/年 管理・税・保険・募集等の年平均
NOI 900,000円/年 総収入 − 運営費

 

賃料下落・空室を織り込む注意点

売却の逆算で見落としやすいのが、「将来の賃料下落」と「空室の発生」です。買主は、現在の満室収入だけでなく、更新時の調整や退去時の賃料設定を織り込んで判断することがあります。

したがって、売主側が満室前提のNOIだけを提示すると、買主側は保守的に利回りを高めに置き、価格が下がる交渉になりやすいです。

 

対策としては、現況の賃貸借契約の条件(賃料、更新、入居期間など)を整理し、空室が出た場合の想定賃料も用意しておくことです。

さらに、原状回復費や募集費を年平均化してNOIに入れておくと、買主の不安が減り、利回りを必要以上に上げられにくくなります。断定は避けつつ、データと前提で説明できる形にしておくのがポイントです。

売却逆算で崩れやすい前提
  • 満室前提のままNOIを作り、空室・募集費を落とす
  • 大規模修繕が近いのに、修繕の年平均を見込まない
  • 賃料が相場より高いのに、将来調整の説明がない

 

利回り水準を読む材料

「市場利回り(%)をどう置くか」は、購入と売却の両方に直結します。利回り水準は、エリア需要、築年、建物の性能、融資環境、出口の売りやすさなどの要因で動きます。

大事なのは、利回りを“数字だけ”で見ず、数字が動く理由を言語化することです。理由が分かると、価格交渉の根拠にもなり、購入時のリスク管理にも役立ちます。ここでは、利回りを読むための材料の集め方と、見るべき変動要因を整理します。

 

取引事例と募集賃料の見方比較

利回り水準を読む材料には、「成約(取引事例)」と「募集(売り出し・募集賃料)」があります。成約は実態に近い一方で情報が手に入りにくく、募集は手に入りやすい一方で希望が混じります。逆算では、この両方を使い分け、同じ条件でレンジを作るのが現実的です。

賃料も同様に、募集賃料だけを見ると強気の数字に引っ張られます。可能なら、同条件の物件で「どのくらいの期間で決まっているか」「条件変更(賃料調整、フリーレント等)が出ているか」を見て、成約レンジに近づけます。数値の断定が難しい場合は、前提を保守的に置き、利回り逆算の結果が安全側になるようにします。

 

情報の種類 逆算での使い方
取引事例 実態に近い指標として重視し、入手できる範囲で優先します。
売り出し利回り 希望が混じる前提で、複数件の分布からレンジを作ります。
募集賃料 成約との差を意識し、空室期間や条件変更の情報も合わせて見ます。

 

エリア・築年で変わる要因ポイント

利回りが高い物件は「お得」に見えますが、利回りが高い理由がリスクの場合があります。エリア要因としては、人口動態、雇用の厚み、大学や病院などの需要源、競合供給の増減が影響します。築年要因としては、修繕の必要性、設備の陳腐化、募集の難易度、保険や修繕の出方が影響します。

逆算の実務では、利回りが高い物件ほど「家賃下落」「空室」「修繕」の前提を厳しめに置いても成立するかを確認します。逆に利回りが低めの物件は、安定収入や出口の売りやすさが強みの可能性があるため、キャッシュフローだけでなく“売りやすさ”まで含めて評価します。

 

利回りが動く要因(整理)
  • エリア:需要の強さ、競合供給、将来の賃料の伸びやすさ
  • 築年:修繕・設備更新の頻度、募集難易度、原状回復の出方
  • 物件:間取り、設備、管理状態、入居者属性の安定性

 

融資条件と出口戦略の整合チェック

融資は「買えるかどうか」だけでなく、「いくらで売れるか」にも影響します。買主側が融資を使いやすい物件は、需要が厚くなりやすく、出口が作りやすい傾向があります。

逆に、法令面や書類不足、管理状態などで融資審査が重くなると、買主が限られ、利回りを高めに要求されて価格が下がりやすくなります。

 

出口戦略の整合とは、購入時点で「誰に売るのか」を想定し、その買主が欲しがる条件を押さえることです。

例えば、個人投資家向けなら安定稼働と分かりやすい収支、法人向けなら複数戸の収益性と運営の合理性、実需転用が狙えるなら立地や用途の柔軟性、といった方向で整えます。利回りから逆算する際も、出口が狭い物件は前提を厳しめに置いて、購入価格の上限を下げる判断が安全です。

 

整合が崩れやすいパターン
  • 融資が付きにくい条件なのに、融資前提の出口を想定している
  • 空室が多いのに、満室想定の売却価格で逆算している
  • 修繕が近いのに、修繕の説明材料が不足している

 

判断ミスを防ぐリスク対応

逆算は便利ですが、前提がズレると結論もズレます。そこで必要なのが「どこがズレやすいか」を先に知り、ズレたときの対処(是正タスク)まで含めて設計することです。

購入前は、価格交渉や条件調整で前提を現実に寄せられます。購入後は、家賃改定、設備更新、管理改善で数字を戻す努力が必要になります。

売却前は、賃貸条件の整備や資料の整理で利回り要求を下げる(=価格を維持する)方向が狙えます。ここでは、逆算が崩れる典型と、根拠の作り方、見直しのタイミングをまとめます。

 

逆算が崩れる典型パターン事例

逆算が崩れる代表例は、収入の下振れ(空室・賃料下落)と、支出の上振れ(修繕・原状回復・保険・税等)です。例えば、募集時は家賃が取れそうでも、実際は条件変更が必要になり、想定より月5,000円下がるだけでも年間60,000円の差が出ます。修繕も、想定していなかった設備交換が続くと、年平均で見た運営費が跳ね上がります。

また、出口を“買主目線”で作れていないと、売却時に市場利回りが高めに置かれて、価格が伸びません。逆算の段階で「空室が出たらどうするか」「賃料が下がったらどうするか」「修繕が必要ならどこから捻出するか」を決めておくと、崩れたときの対応が速くなります。

 

【崩れやすい前提のチェック】

  • 賃料が相場上限寄りで、下がる余地が大きい
  • 退去が多い想定なのに、募集費・原状回復が薄い
  • 修繕が近いのに、年平均の修繕費を積んでいない

 

価格交渉で使う根拠の作り方ポイント

逆算は、交渉の根拠にもなります。感覚で「高い」と言うより、「この前提なら購入上限は◯円」と示せると話が早いです。

ポイントは、売主や仲介が納得しやすい“見える根拠”にすることです。たとえば、想定賃料は近隣の募集レンジ、空室は過去の募集期間、運営費は管理会社見積り、修繕は点検結果や同等事例、という形で積み上げます。

 

売却側も同様で、NOIの内訳を整え、賃貸借契約や修繕履歴を示せると、買主の不安が減って利回り要求が緩みやすくなります。断定は避けつつ、「この条件ならこのレンジ」という提示を積み重ねるのが現実的です。

交渉用の根拠セット(例)
  • 収入根拠:近隣の募集賃料レンジと、成約に近づけた想定賃料
  • 支出根拠:管理委託費の見積り、税・保険の見込み、募集費の平均
  • 修繕根拠:現況の点検結果、交換時期の目安、年平均の積立

 

定期見直しのタイミング目安

逆算は一度作って終わりではなく、定期的な更新が重要です。賃料相場、競合、金利、管理状況は時間とともに変わります。

見直しのタイミングは「数字が崩れた後」より「崩れそうな兆候が出た時」に置く方が、打ち手が多くなります。例えば空室が長引き始めた、更新で賃料交渉が増えた、修繕が続いた、金利や借換条件が変わった、といった時点で試算を更新し、購入時の前提と現実の差を埋めます。

 

売却を視野に入れるなら、売り出しの半年前くらいから、賃貸条件の整備(募集条件の見直し、契約の整い)と資料の整理(修繕履歴、収支、賃貸借契約)を進めると、買主の利回り要求を抑えやすくなります。

具体的な最適時期は個別性が高いので、設計や税務を含め専門家へ相談しながら調整するのが安全です。

 

見直しを先送りしやすい注意点
  • 空室が出てから動くと、家賃調整が遅れて損失が増えることがあります。
  • 修繕を後回しにすると、募集条件が弱くなり賃料が下がりやすいです。
  • 売却直前に資料不足が判明すると、買主の不安が利回り要求に反映されやすいです。

 

まとめ

利回りから逆算する考え方は、欲しい手残りや出口価格から条件を固め、購入と売却を一貫した基準で判断できる点が強みです。

表面利回りは比較の入口にとどめ、空室や運営費、購入時の諸費用を織り込んだ実質利回りやキャッシュフローで最終確認すると、数字のズレを減らせます。

売却ではNOIを整え、市場利回りをレンジで見立てることで価格の根拠が作りやすくなります。前提は時間とともに変わるため、定期的に見直しながら、必要に応じて専門家へ確認することが重要です。